第9話:史上最速の叙爵。そして旧パーティーには「督促状」が届く。
第9話をお読みいただきありがとうございます!
ついにアルスが「男爵」へと昇格しました!
「荷物持ち」から「貴族」へ。なろうの醍醐味である成り上がりが加速します。
対照的に、犯罪者扱いされ始めるエルザたち。その絶望はまだ始まったばかりです。
昨夜の晩餐会から一夜明け、俺は国王陛下との謁見の間に立っていた。
周囲には文武百官が居並び、その誰もが畏敬の念を込めて俺を見つめている。
「面を上げよ、アルス・レヴェイン。……貴殿の功績、そして底知れぬ魔導の才。もはや一介の冒険者として遇するには、我が国の器が小さすぎる」
玉座に座る国王陛下が、重々しく、だが確かな信頼を込めて口を開いた。
「よって、貴殿に『名誉男爵』の爵位を授与する。さらに、王立魔導研究所の特別顧問として、国家予算の自由裁量権を与えよう」
その瞬間、謁見の間がどよめきに包まれた。
十八歳での叙爵、それも平民出身としては建国以来の快挙だ。
「謹んでお受けいたします、陛下」
俺が深く一礼すると、隣にいたシルフィア王女が我がことのように嬉しそうに頷いた。
これで、俺を「平民」と侮る者は二度と現れない。俺は守るべき場所と、正当な評価を手に入れたのだ。
その頃。
王都の北門近く、薄暗い路地裏にある衛兵所に、エルザたちは引き立てられていた。
「……離しなさい! 私は聖女エルザよ! こんな屈辱、許されると思っているの!?」
「静かにしろ。借金の踏み倒し、およびギルド備品の毀損罪だ。聖女の資格剥奪勧告が出ていることも忘れるな」
冷徹な衛兵の言葉に、エルザは顔を真っ白にして崩れ落ちた。
後ろではガイとミレーヌが手錠をかけられ、うなだれている。
「借金を返す当てはあるのか?」
「……アルス。アルスを探して! あいつが私の……私たちの代わりに払えばいいのよ! あいつは私たちの『荷物持ち』だったんだから!」
エルザが狂ったように叫ぶが、衛兵は憐れむような目で彼女を見下した。
「アルス様だと? ……貴様ら、まだ知らないのか。アルス様は本日、国王陛下より爵位を賜り、この国の貴族となられたのだぞ。貴様らのような犯罪者崩れが気安く呼んでいい名前ではない」
「……えっ?」
エルザの思考が停止した。
男爵。貴族。……手の届かない、雲の上の存在。
ほんの数日前まで、自分の足元で汚れ仕事を押し付けられていた男が。
「嘘……嘘よ……。あんな無能が、貴族に……? そんなの、間違いだわ……っ!」
彼女の絶叫は、衛兵所の冷たい壁に虚しく響くだけだった。
一方の俺は、王宮から支給された新しい屋敷で、リアナさんが用意してくれた温かい紅茶を楽しんでいた。
「アルス様、本当におめでとうございます」
「ありがとう、リアナさん。……でも、なんだか実感が湧かないな」
贅沢な暮らしも、爵位も、俺にとっては二の次だ。
ただ、自分の魔力を「誰かのため」に、正しく使える。
その喜びだけで、今は十分だった。
国王陛下公認の貴族となったアルス。もはやエルザたちが近づくことすら不敬罪になるレベルです。
「ざまぁ」の強度がさらに増してきましたね!
「アルス男爵、かっこいい!」「聖女の現実逃避が止まらない(笑)」
と思ってくださった方は、ぜひ【★★★★★】で評価・応援をお願いします!
次回、アルス専用の「最強の屋敷」で、新たなヒロイン(?)との生活が……!?




