表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/20

第8話:王宮の晩餐会。絡んできた高慢貴族に、本物の『魔力』を見せつける。

第8話をお読みいただきありがとうございます!


王宮の晩餐会で、無能貴族を「分からせる」シーンをお届けしました。

アルスにとっての「挨拶」が、常人にとっては「天災」……この圧倒的な差が最高に気持ちいいですね!


 その夜、俺は王宮の晩餐会に招かれていた。

 シルフィア王女が用意してくれたのは、最高級のシルクで仕立てられた濃紺の礼服。鏡の中の自分は、まるで別人のように見えた。


「……落ち着かないな。俺はただの冒険者なのに」

「何を言う。貴殿は我が王家の最優先招待客だ。胸を張ってくれ、アルス殿」


 隣を歩くシルフィア王女が、誇らしげに微笑む。

 会場に一歩足を踏み入れれば、着飾った貴族たちの視線が一斉に俺たちに注がれた。


 だが、その視線のすべてが好意的なわけではない。


「おやおや……シルフィア殿下。その隣にいるのは、どこの馬の骨ですかな?」


 嫌味な笑みを浮かべて近づいてきたのは、大肥満体の男――ボルドー侯爵だった。

 彼はこの国の魔導軍事予算を牛耳る有力貴族で、傲慢な性格で知られている。


「彼はアルス殿。私が自らスカウトした、類まれなる魔導の才を持つ御仁だ」

「ほう、魔導の才? 見たところ、魔力回路も細そうな平民の小僧ではありませんか。殿下も、詐欺師に騙されるとはおいたわしい……。おい、小僧。貴様の身の程を教えてやろう」


 ボルドー侯爵が、俺に向けてこれ見よがしに指を鳴らした。

 彼が雇っている専属の宮廷魔導師たちが、俺を威圧するように一斉に魔力を解放する。


 ――ビキビキ、と会場の空気が震える。

 周囲の令嬢たちが悲鳴を上げ、グラスの酒が波打った。


「どうだ、平民。本物の魔導師たちの重圧は……――あ、あれ?」


 ボルドー侯爵が首を傾げた。

 俺が震え上がるどころか、欠伸あくびでもしそうな顔で立っていたからだ。


「……すみません。何かしましたか?」

「な、何を……!? これだけの圧を受けて、正気でいられるはずが――」


「退屈なので、俺からも少しだけ『挨拶』していいですか?」


 俺はほんの一瞬だけ、内側の魔力の『蓋』をミリ単位でずらした。

 

 ――ドォォォォォォォォォン!!


 衝撃波すら伴わない。

 ただ、純粋な「質量」としての魔力が、王宮全体を押し潰さんばかりに膨れ上がった。


「ひ、ひぃぃぃぃぃっ!?」


 ボルドー侯爵がその場に崩れ落ち、失禁する。

 彼が連れていた魔導師たちは、白目を剥いて次々と床に倒れ伏した。

 会場中のシャンデリアが共鳴し、あまりの魔圧に誰もが呼吸を忘れ、ただ立ち尽くす。


「アルス殿、そこまでだ! これ以上は王宮が持たん!」


 シルフィア王女の焦った声で、俺はすぐに魔力を収めた。


「……失礼しました。少し出しすぎたみたいです」


 俺が静かに頭を下げると、会場には異様なまでの静寂が訪れた。

 先ほどまで俺を嘲笑っていた貴族たちは、今や恐怖と羨望が混ざった目で俺を見つめている。


 その頃。

 王宮から漏れ出たその圧倒的な魔力の光を、王都のゴミ捨て場で漁り物をしていたエルザたちは見上げていた。


「な、なによ……今の光……。王宮で、何が起きてるの……?」


 空腹で震えるエルザの脳裏に、かつてアルスが言った言葉がよぎる。

『俺がいなくなれば、君たちの魔法は維持できなくなるぞ』


「嘘よ……認めない。あんなゴミに、こんな力……あるわけないじゃない……っ!」


 彼女は泥にまみれたパンを握りしめ、届かぬ光に向かって、ただ呪詛を吐き続けるしかなかった。


ボルドー侯爵の失態、会場中の注目を浴びてしまいましたね。

一方、ゴミ捨て場からその光を見上げるエルザたち……この徹底した落差が、さらなる「ざまぁ」の呼び水となります。


「もっと高い鼻をへし折ってくれ!」「王女様の慌てっぷりが可愛い」

と思ってくださった方は、ぜひ【★★★★★】で応援をお願いします!

次回、アルスに王家から「正式な爵位」が授与されます!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ