第7話:王女様にバフ魔法をかけてみたら、常識が崩壊した件
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アルスのサポートが「異常事態」であったことが、王女視点で語られました。
一方で、借金取りに追い詰められるエルザたち……。
「不運」ではなく「自業自得」なのが、なろう流の醍醐味です!
翌朝、俺はシルフィア王女に連れられて、王宮の訓練場へとやってきた。
彼女は、俺が持っていたという【魔力肩代わり】のスキルに興味があるらしい。
「アルス殿。貴殿のスキルは、対象の魔力消費を肩代わりするものだったな? 失礼ながら、一度私にかけてみてはもらえないだろうか」
「構いませんが……王女殿下、俺の魔力をそのまま流すと、少し出力が上がりすぎるかもしれませんよ?」
これまではエルザたちの『燃費の悪さ』を相殺するために、かなり加減して魔力を送っていた。
だが、今の俺は全魔力が解放されている。
「ふふ、私はこれでも国内最高峰の魔剣士だ。受け止めきれない魔力など――」
シルフィア王女が笑みを浮かべたところで、俺は彼女と魔力ラインを繋いだ。
かつてのパーティーにかけていた時よりも、さらに『質』を高めた魔力を、ほんの一筋だけ送り込む。
「……えっ?」
その瞬間、シルフィア王女の全身から、眩いばかりの白銀のオーラが噴き上がった。
彼女が持つ魔剣が共鳴して鳴り響き、訓練場の石床が彼女のプレッシャーだけでピキピキとひび割れていく。
「な、何だこの……底なしの魔力は……!? 体が、軽い……いや、万能感ですべてが止まって見える!」
驚愕する彼女の前で、俺はついでにいくつかの補助魔法を重ねがけした。
【身体能力極大上昇】【全属性耐性付与】【超回復・常時発動】。
「はは……冗談だろう? これだけの多重魔法、宮廷魔導師団が十人がかりで儀式を行わねば不可能なはず。それを、指先一つで、しかも維持コストをすべて肩代わりしているというのか……っ!」
シルフィア王女は、自分の震える手を見つめて戦慄していた。
彼女は気づいたのだ。アルス一人いれば、一国の軍隊を「無敵の英雄軍団」に変えられてしまうという事実に。
一方で。
かつての仲間たちは、どん底の淵にいた。
「――っ、返せよ! それは俺が、アルスと一緒に買った予備の剣なんだぞ!」
ギルド裏の路地。ガイが借金取りの男たちに組み伏せられ、腰の剣を奪い取られていた。
エルザがギルドで王女に盾突いたせいで、彼らの信用は失墜。昨日受けたはずの「装備のツケ払い」がすべて拒否され、即日返済を迫られていたのだ。
「うるせえ! 払えないなら身ぐるみ剥ぐのが筋だろ! この『聖女様』の法衣も、いい金になりそうだなぁ!」
「ひっ、やめて、触らないで……!」
借金取りの汚れた手が、エルザの法衣に伸びる。
かつてはアルスの魔力障壁に守られ、指一本触れさせなかった彼女の体は、今や無防備に晒されていた。
「助けて……ガイ! ミレーヌ! 魔法で追い払ってよ!」
「無理よ……魔力が、一滴も残ってないの……」
ミレーヌは地面に座り込み、虚ろな目で呟く。
アルスという「無限の貯蔵庫」を失った彼女たちの魔力回復速度は、常人以下にまで落ち込んでいた。
王宮で至高の敬意を受ける俺と、路地裏で全てを剥ぎ取られようとしている彼ら。
その差は、もう二度と埋まることはない。
シルフィア王女の驚きっぷりが、アルスの凄さを引き立ててくれますね!
そして、ついに装備まで奪われ始めた旧パーティー。
「王女様、アルスの価値に震えてる!」「聖女様の悲鳴が心地よい」
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次回、アルスに「爵位」の話が……!? お楽しみに!




