第6話:王女様にスカウトされた俺、高級宿のスイートルームへ案内される。
第6話をお読みいただきありがとうございます!
王女様による「本物の評価」と、エルザたちの「転落」。
最高級スイートルームと雨漏りの安宿という対比が、読者の皆様の溜飲を下げるはずです!
「……えっ? 王宮へ、ですか?」
膝をつくシルフィア王女を前に、俺は思わず聞き返してしまった。
周囲の冒険者たちは、腰を抜かしたように座り込み、あるいは信じられないものを見る目で俺と王女を交互に見ている。
「左様だ。貴殿ほどの逸材を、このような場所で埋もれさせておくのは国家の損失。アルス殿、まずは積もる話を。我が王宮直営の宿へ案内させよう」
シルフィア王女が立ち上がり、俺の手を優しく取る。
その白く細い指先からは、彼女がいかに真剣であるかが伝わってきた。
「ちょっと待ちなさいよッ!!」
静寂を切り裂いたのは、顔を真っ赤にしたエルザの絶叫だった。
彼女はなりふり構わず、俺たちの間に割り込もうとする。
「シルフィア王女殿下! 騙されてはいけません! その男、アルスは我がパーティーを『無能』ゆえにクビになった男です! 魔法なんて一つも使えない、ただの荷物持ちなんですよ!」
エルザの言葉に、シルフィア王女の鋭い眼光が向けられた。
それだけでエルザは蛇に睨まれた蛙のように硬直する。
「……無能、だと? 貴殿は、先ほどの黒鋼竜を一撃で屠った魔法が見えなかったのか? あれほどの高純度な魔力を放てる者を無能と呼ぶのであれば、この国の魔導師は全員赤子以下ということになるが」
「それは……っ、何かの間違いで……!」
「黙れ。貴殿らの不遜な態度は、先ほどから聞き及んでいる。……アルス殿、行こう。このような不快な騒音に耳を貸す必要はない」
シルフィア王女は冷たくエルザを切り捨てると、俺をエスコートするようにギルドの外へと連れ出した。
後に残されたのは、周囲の冒険者たちからの「あいつら、本物の天才を追い出したのか……」「バカすぎるだろ……」という冷ややかな視線と、震えるエルザたちだけだった。
案内されたのは、王都の貴族街にある最高級宿のスイートルームだった。
ふかふかの絨毯、金糸で縁取られた天蓋付きのベッド。
「とりあえず、今日はここでゆっくり羽を伸ばしてほしい。アルス殿、貴殿がこれまで受けてきた不当な扱いは、我が王家がすべて清算しよう」
「……あ、ありがとうございます。でも、俺はただの冒険者ですから、こんな豪華な場所は……」
「謙遜は不要だ。貴殿は、世界を変えうる力を持っているのだから」
シルフィア王女はそう言って、慈しむような微笑みを俺に向けた。
エルザたちといた時は、いつも「早くしろ」「もっと魔力をよこせ」と罵倒される毎日だった。
誰かに、自分そのものを認めてもらえることが、これほどまでに胸に響くものだとは知らなかった。
その夜。
俺が最高級のディナーを楽しんでいる頃。
エルザたちは、雨漏りのする安宿の一室で、たった一つのパンを分け合っていた。
「……ねえ、エルザ。明日からどうするのよ。もう、ギルドの誰も私たちとパーティーを組みたがらないわよ……」
ミレーヌが力なく呟く。
アルスを「無能」と罵り、王女にまで盾突いたパーティーとして、彼女たちの悪評は一晩で王都中に広まっていた。
「うるさい……! あんなの、何かの間違いよ……。アルスなんて、私がいなきゃ何もできないゴミのはずなのに……っ!」
震える手でパンを握りしめるエルザ。
彼女はまだ認めようとしていなかった。
自分たちが捨てたのは「荷物持ち」ではなく、自分たちの命を繋いでいた「神の加護」そのものだったという事実に。
シルフィア王女、凛々しくて素敵ですね!
アルスの居心地が良くなる一方で、エルザたちのメンタルはもうボロボロです。
「ざまぁ」の勢いはさらに加速していきます!
「シルフィア様、ナイス!」「エルザの顔芸が目に浮かぶ(笑)」
と思ってくださった方は、ぜひ【★★★★★】で応援をお願いします!
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