第48話:世界を飲み込む災厄。俺は戦わず、ただ「愛」で受け止める。
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アルスが選んだのは、過去の憎しみすらも自分の魔力で「肩代わり」して癒やす道でした。
戦って勝つことよりも難しい「受け入れる」という行為。
これこそが、救世主として至ったアルスの真骨頂です。
王都の空を覆いつくす、漆黒の絶望。
それはかつて、俺が「肩代わり」し、心の一番奥底に封じ込めてきた人々の悲鳴と、かつての仲間たちが俺に向けた憎悪の結晶だった。
「アルス様、無茶です! あんな密度の呪い、正面から受け止めれば魂が砕けてしまいます!」
並走するルナリスが必死に叫ぶ。だが、俺はフェンリルの背で、ただ静かに微笑んだ。
「ルナリス様、これは敵じゃないんだ。……これは、俺が守りたかった人たちの『涙』なんだよ。戦って壊すんじゃなく、受け止めてあげなきゃいけないんだ」
俺は空中で立ち上がり、両手を広げた。
――ズゥゥゥゥゥゥゥン!!
漆黒の渦が、標的を見つけたと言わんばかりに俺の体に殺到する。
全身を突き刺すような鋭い痛み。かつてエルザに「無能」と罵られた時の胸の痛み。裏切られた瞬間の冷たい孤独。それらすべてが、今、巨大な奔流となって俺の内側を駆け抜ける。
「……っ。……はぁ……、大丈夫。もう、痛くないよ」
俺は、自分自身の魔力を「攻撃」ではなく「抱擁」へと変えた。
一方、地下牢の隙間からその光景を見ていたエルザたちは、そのあまりの神々しさに言葉を失っていた。
自分たちがかつてアルスに投げつけた醜い言葉、鋭い憎しみ。そのすべてを、アルスは今、まるで迷子の子供を抱きしめるかのように、優しく自分の魔力で包み込み、光へと変えていく。
「……あ。……あ、あああ……」
エルザは、自分の胸の奥に残っていた僅かな毒が、空に浮かぶアルスの光に吸い込まれ、温かな安らぎに変わるのを感じた。
自分たちがどれだけ彼を傷つけても、彼は最期まで自分たちを、そして世界を、憎むことさえしなかった。
その「絶対的な善性」を前に、エルザは自分たちの矮小さを、ただただ恥じ、泣き崩れるしかなかった。
漆黒の渦が消え去り、空からは黄金の粉雪のような魔力が降り注ぐ。
「……これで、本当におしまいだ」
俺が地上に舞い降りると、シルフィアやリアナたちが駆け寄ってきた。
過去の負債をすべて飲み込み、俺は今、本当の意味で自由になったのだ。
世界中の負の感情を受け止め、光に変えたアルス。
彼の圧倒的な慈愛を前に、旧パーティーの悪意もついに霧散しました。
物語はいよいよ、真の平和と幸福を描く最終盤へ突入します。
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