第47話:平和な世界に響く、過去の因縁。俺が背負う「最後の負債」。
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平和の影に隠れていた、アルスが「肩代わり」し続けてきた負のエネルギー。
かつて彼を虐げた者たちの悪意も混ざり合ったその災厄に、アルスはどう立ち向かうのか。
物語は真のクライマックスへと向かいます。
ハルバート領の穏やかな日常に、一筋の不穏な亀裂が入った。
突如として、王都の地下深く――かつて教団が古代兵器を隠していた場所から、どす黒い魔力の奔流が噴出したのだ。
「アルス様! あれは……かつて貴方が肩代わりし、浄化しきれなかった『負の感情』の残滓です!」
ルナリスが青ざめた顔で俺の元へ駆け寄ってくる。
それは、俺が世界を救う過程で引き受けてきた、数えきれないほどの人々の絶望や呪い。
その一部が、教団の古代兵器の残骸と共鳴し、意思を持つ災厄として実体化しようとしていた。
「……そうか。俺が守ってきたものの裏側に、まだこれだけの『痛み』が残っていたんだね」
俺は立ち上がり、遠くに見える漆黒の渦を見つめた。
それは他でもない、俺自身の献身が生み出した、いわば「宿題」のようなものだった。
一方、地下牢に繋がれていたエルザたちは、その噴出した魔圧に当てられ、さらなる絶望の中にいた。
「……ああ、この感覚……アルスの魔力だわ。でも、なんて冷たくて、痛いの……」
エルザは震える手で頭を抱えた。
その漆黒の魔力の中に、自分たちがかつてアルスに向けて吐き出した「無能」「ゴミ」「死ね」といった呪詛の言葉が、確かに混ざっているのを感じ取ったからだ。
「俺たちが……俺たちがアルスに押し付けていたツケが、今になって世界を壊そうとしているのか……?」
ガイが呆然と呟く。
自分たちがかつてアルスに負わせた傷が、今、自分たちが住む世界を滅ぼそうとしている。
その罪の重さに、彼らはただ恐怖することしかできなかった。
「フェン、行こうか。……これが、俺がこの世界で果たすべき、最後の役割だ」
俺は聖獣の背に乗り、仲間たちの心配そうな視線を背に受けて飛び立った。
誰のせいにするつもりもない。
この「過去」を飲み込み、本当の平和を創り出すこと。
それが、俺を愛してくれた人たちへの、俺なりの答えだった。
アルスの過去と現在が交差する、避けては通れない戦いが始まりました。
彼がすべてを飲み込んだ時、本当の意味での「救済」が完成します。
完結に向け、アルスの勇姿を最後まで一緒に見守ってください!
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よろしくお願いいたします!




