第2章完結【第40話】世界の理を肩代わりした賢者、新たな時代の王となる。
第40話をご覧いただきありがとうございます。
ついに第2章、完結です。
無能と蔑まれた青年が、神や魔王すらも守護する「世界の王」へと至る物語。
アルスの歩みが一つの完成を見ました。
王都を覆っていた闇が晴れ、空にはアルスの魔力がもたらした黄金の夜明けが広がっていた。
教団の支配は終わり、ハルバート領を中心とした新しい秩序が、大陸全土へと浸透し始めている。
「……終わったんですね、アルス様」
傍らに立つリアナが、感慨深そうに空を仰ぐ。
かつてギルドの一受付嬢だった彼女も、今や世界で最も影響力を持つ領地の総支配人となっていた。
「ああ。……でも、これからが本当の始まりだよ」
俺は、自らの内側に流れる魔力を見つめた。
魔界の回路、神界の維持、そしてこの世界の安寧。
俺がすべての「重荷」を引き受けることで、世界はかつてないほどの平和と繁栄を享受している。
もはや俺一人の存在が、この世界の心臓そのものとなっていた。
そんな俺の元には、今日という日を祝うために、各界の頂点たちが集まっていた。
王都を統べるシルフィア王女。
俺の膝の上でスコーンを頬張る女神ルナリス。
魔界の復興を誓った魔王。
そして、聖樹の守護を誓ったエルフの女王セレスティーヌ。
「アルスよ。貴殿が築いたこの『聖域』を、我ら全種族の首都と定めたい。貴殿こそが、我らすべてを導く真の王なのだから」
魔王が力強く宣言し、他の者たちも一斉に頷く。
俺は苦笑いしながら、「俺はただの領主でいいんですよ」といつもの言葉を返したが、その声は歓喜に沸く領民たちの声にかき消されていった。
一方。
教団の瓦礫の下から這い出したエルザ、ガイ、ミレーヌの三人は、絶望的な沈黙の中にいた。
命こそ助かったものの、自分たちの「傲慢」が招いた結果を、もはや否定する術はない。
「……ねえ、エルザ。アルスが、本当に世界を救っちゃったわよ。……私たちのこと、もう見てさえいないのね」
ミレーヌが虚ろな目で笑う。
自分たちが「荷物持ち」と呼んでいた男。
その男が背負っていたのは、自分たちだけでなく、世界そのものだった。
その価値に気づけなかった自分たちは、もはや物語の端役にすらなれない。
彼女たちは、平和になった世界の中で、自らの過ちという消えない傷を抱え、ひっそりと歴史の闇へと消えていった。
「……フェン、行こうか」
俺は聖獣フェンリルの背に乗り、黄金の光に満ちた空へと舞い上がった。
肩にかかる重荷は、以前よりもずっと重い。
けれど、それを「幸せ」だと感じられる今、俺の力はどこまでも、無限に広がっていく。
これが、俺の選んだ新しい道の、最初の一歩だった。
第2章を最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。
皆様がアルスに寄せてくださった温かい声援、そして物語を支えてくれた熱い応援が、彼をここまで高い場所へと連れてきてくれました。
物語は一度の大きな節目を迎えますが、アルスの伝説が止まることはありません。
もし「アルスのさらなる未来が見たい!」と思ってくださったなら、
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皆様と一緒に、また新しい伝説を作れる日を楽しみにしております!




