第38話:大司教が呼んだ「神」の正体。それ、俺の家で昼寝してる女神様です。
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黒幕による「神の降臨」という最悪の展開が、女神ルナリスの登場によって一瞬で喜劇へと変わりました。
アルスの日常がいかに「規格外」であるか、大司教とエルザは思い知ることになります。
黄金の魔力障壁に守られた王都を抜け、俺は教団本部の最深部へと足を踏み入れた。
そこには、エルザを祭壇に捧げ、狂気に満ちた笑みを浮かべる大司教ボリスが待ち構えていた。
「ついに来たか、異端の賢者アルス! だがもう遅い! この女の呪詛を媒介に、今こそ真なる神の化身をこの地に降臨させる!」
ボリスが古の呪文を唱えると、祭壇に横たわるエルザの体からどす黒い光が溢れ出し、次元の裂け目が広がっていく。
「あ……あぁ……。神様、あいつを……アルスを殺して……」
エルザが虚ろな目で呪詛を吐く。
裂け目からは、神々しくも禍々しいプレッシャーが漂い、周囲の石材が次々と砂へと変わっていった。
「見よ! これこそが絶対的な神の威光! ひれ伏せ、アルスよ!」
しかし、その裂け目から現れたのは、ボリスが期待していた破壊の神ではなかった。
「……ふぁ~あ。もう、お昼寝の邪魔をしないでくださいって言ったじゃないですか」
欠伸をしながら現れたのは、俺の領地で毎日スコーンを食べていた女神ルナリスだった。
彼女は俺の姿を見つけるなり、パッと表情を明るくして駆け寄ってくる。
「アルス様! こんな汚いところに呼び出すなんて酷いですよ! あ、でも、ちょうどお腹が空いていたので良かったですぅ」
「な……な、何だ、この小娘は……!? 神の化身はどうしたのだ!」
驚愕するボリス。ルナリスは冷淡な視線を彼に向け、指先をパチンと鳴らした。
その瞬間、大司教が誇っていた古代兵器も、教団を包んでいた邪悪な魔力も、すべてが霧のように霧散した。
「私が本物の女神、ルナリスですよ。おじいさん、私の名前を騙ってアルス様に迷惑をかけるなんて、百回くらい転生しても許してあげませんからね?」
ルナリスの放つ圧倒的な神威の前に、ボリスはその場に崩れ落ちた。
一方、祭壇でそれを見ていたエルザは、絶望のあまり声も出なかった。
自分がアルスへの憎しみを糧に縋り付いた神。
その神が、アルスを「様」付けで呼び、その腕に甘えている。
彼女がかつて踏みにじった「荷物持ち」は、今や神そのものに愛される存在になっていた。
エルザの心は、二度と再生することのないほど粉々に打ち砕かれた。
「……さて。ルナリス様、おやつは帰ってからにしましょうか」
俺が静かに告げると、ルナリスは「はいっ!」と満面の笑みで頷いた。
本物の女神様を前にしては、古代兵器も教団の権威も無力でした。
アルスを慕う者たちの「格」が、敵を圧倒していく様子をお楽しみいただけたでしょうか。
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