第34話:魔界全体の魔力回路、俺が丸ごと「肩代わり」して再起動させる。
第34話をご覧いただきありがとうございます。
一国の領主から、ついに「世界の救世主」へと至ったアルス。
魔界全土をその肩に背負うという、規格外の「肩代わり」が完遂されました。
魔王に案内され、俺は魔界の深層にある『大魔源』へと降り立った。
そこは本来、魔界全土に魔力を供給する心臓部のはずだが、今やどす黒い霧が立ち込め、生命の気配すら感じられない死の地と化していた。
「……ここだ。この『心臓』が止まりかけているせいで、魔界は死に瀕している」
魔王の言葉通り、巨大な魔石の塊である『大魔源』は、今にも砕け散りそうなほどひび割れている。
俺は迷わず、その冷たくなった魔石に両手を置いた。
「アルス、無茶だ! 魔界全体の負荷を一人で受けるなど、神ですら――」
「大丈夫ですよ。慣れてますから。……これまでは数人の仲間だけでしたが、今回は少し範囲が広いだけです」
俺は、内側に眠る無限の魔力を一気に解放した。
これまでの「一滴」や「一振り」ではない。魔界という一つの世界を動かすための「奔流」を、その心臓部へと注ぎ込む。
――ドォォォォォォォォォォォン!!
魔界全土が激しく揺れた。
暗雲に包まれていた空が、俺の黄金の魔力によって一瞬で晴れ渡り、澱んでいた『瘴気』が、清らかなマナへと変換されていく。
魔界全土の魔力回路を、俺一人の体で「肩代わり」し、無理やり再起動させたのだ。
「……信じられん。枯れ果てていた大地に、緑が戻っていく。魔族たちが、病から解放されていくぞ……!」
魔王が跪き、涙を流してその光景を見つめていた。
俺一人が魔力を供給し続ける限り、魔界は二度と死に瀕することはない。
一方その頃、人族の王都の裏路地。
エルザたちは、突如として空が黄金色に輝いたのを見て、腰を抜かしていた。
「……な、なによこれ。世界が、世界がアルスの色に染まっていくわ……」
エルザは、震える手で空を仰いだ。
かつて自分が「無能」と切り捨て、銀貨数枚で売り払った男。
その男が、今や自分たちの住む世界どころか、隣り合う魔界までをもその肩に背負い、救い上げている。
自分たちの卑小な悪意など、彼の放つ光の前では塵一つほどの価値もない。
「……ああ、嫌。認めないわ。あいつは、私の……私のために、尽くすべき存在なのよ……っ!」
エルザの枯れ果てた叫びは、救われた世界が奏でる祝福の音にかき消されていった。
アルスは今、魔族全員から「唯一無二の恩人」として、神のごとく崇拝される存在へと至ったのだ。
魔界を救い、魔族たちから神のごとく崇められることになったアルス。
彼の献身は、もはや種族や世界の壁さえも意味を成さないほどに大きくなっています。
皆様の熱い応援が、アルスの新しい伝説をより高く、より遠くへ届ける力になります。
もし「この先の展開が楽しみ!」と思ってくださったら、
下の【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にして、ブックマークと一緒に応援していただけると、執筆の凄まじい活力になります!
よろしくお願いいたします!




