第3話:冒険者ギルドの魔力測定器、俺の魔力に耐えきれず爆発する。
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測定不能、そして魔導具の破壊……。
アルスの力が、すでに人の手に負えない領域にあることが証明されました。
一方の聖女たちは、アルスのいない「普通」の過酷さに直面しています。
自分の異常な魔力量を自覚した俺は、ひとまず今後の生活費を稼ぐため、冒険者ギルドへと足を運んだ。
「……すみません。再登録をお願いしたいんですが」
受付の女性――たしか名はリアナさんだったか――に、以前使っていた冒険者証を差し出す。
リアナさんは俺の顔を見るなり、困ったように眉を下げた。
「あら、アルスさん。……エルザさんたちのパーティーから脱退されたと聞きました。本当だったのですね」
「ええ。まあ、実力不足ということで」
「そんな……。あなたがどれだけ陰で支えていたか、私だけは分かっていましたよ」
彼女はギルド職員として、俺が常に魔力枯渇ギリギリまで仲間をサポートしていたことを見抜いていたらしい。
その言葉だけで、少し救われた気がした。
「では、再登録の手続きを始めます。……規定により、現在の魔力量を再測定してください。こちらの魔水晶に手を置いていただけますか?」
リアナさんが差し出したのは、冒険者の魔力を数値化する一級品の魔導具だ。
通常、Bランク以上の冒険者でも目盛りを半分ほど光らせるのが精一杯だと言われている。
「分かりました。……あまり力を込めすぎないように、と」
俺はそっと、魔水晶に触れた。
先ほどの『ファイア・ボール』の反省を活かし、蛇口を一滴だけ緩めるような感覚で魔力を流し込む。
――瞬間。
パキパキッ、と不穏な音がギルド内に響き渡った。
「えっ……?」
リアナが目を見開く。
水晶の内部で、これまで見たこともないような濃密な青白い光が膨れ上がっていく。
光は一瞬で目盛りを振り切り、水晶自体が激しく震えだした。
「アルスさん! 手を、手を離して――!」
言われるより先に、俺が手を離そうとした、その時。
――ドォォン!!
魔導具が粉々に砕け散り、周囲にキラキラとした破片が舞った。
ギルドの中にいた冒険者たちが、何事かと一斉にこちらを振り返る。
「……あの、すみません。壊してしまいました」
「そ、そんな……。王宮御用達の最高級測定器が、耐えきれずに自壊するなんて……」
リアナは震える手で、空中に残された魔力の残滓を見つめていた。
そこには、測定不能を示す『Error』の文字が、虚空に浮かび上がっていた。
その頃。
聖女エルザたちは、満身創痍でギルドに逃げ帰っていた。
「はぁ、はぁ……っ! 信じられないわ、あんな雑魚モンスターに苦戦するなんて……!」
「エルザ、もう限界だ。俺の盾もボロボロだし、ミレーヌなんて魔力切れで気絶してるぞ」
ガイが肩を貸すミレーヌは、顔を真っ青にしてぐったりとしている。
彼らはまだ知らない。
すぐそばのカウンターで、自分たちが「無能」と切り捨てた男が、歴史を塗り替える数値を叩き出していることに。
ギルドの看板娘、リアナさんだけはアルスの価値を分かっていたようですね。
これからアルスの快進撃にどう関わってくるのか、ご注目ください!
「もっとアルスに無双してほしい!」「測定不能はテンション上がる!」
と思ってくださった方は、ぜひ【★★★★★】で応援いただけると嬉しいです!
次回、アルスに衝撃の依頼が舞い込みます。




