第2話:初級魔法を放ってみたら、地形が変わった件について。
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無自覚に地形を変えてしまうアルスと、早くもピンチの聖女たち……。
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パーティーを追放され、王都の外れにある荒野までやってきた。
「……ふぅ。とりあえず、今の自分の魔力量を確認しておくか」
これまではエルザたちの魔力消費をすべて肩代わりしていた。
いわば、常に重い負荷を背負いながら全力疾走していたようなものだ。
その重りが外れた今、どれほどの魔法が使えるのか試しておきたかった。
「標的は、あのあたりの岩場でいいか」
数百メートル先にある、巨大な岩の塊に指先を向ける。
使うのは、初等教育でも習う最低ランクの攻撃魔法だ。
「『ファイア・ボール』」
ボッ、という小さな火を想像していた。
だが、現実は違った。
――ドォォォォォォォォォォォン!!
鼓膜を突き破るような爆鳴。
俺の指先から放たれたのは、火球などではない。
それは巨大な「光の柱」となって荒野を駆け抜け、標的の岩場どころか、その背後にあった山の一部までをも飲み込んだ。
凄まじい衝撃波が吹き荒れ、俺の髪を激しく揺らす。
やがて砂煙が収まると、そこには――。
「……えっ?」
岩場は消えていた。
それどころか、地面には深々とえぐれたクレーターができ、遠くの山の斜面には巨大な風穴が開いている。
……おかしい。
今のは間違いなく、消費魔力を最小限に抑えた『ファイア・ボール』だったはずだ。
「これ……もしかして、全部俺の魔力なのか?」
自分の内側を覗き込む。
そこには、汲んでも尽きることのない、深淵のような魔力の海が広がっていた。
一方その頃。
俺を追い出した聖女エルザたちは、ランクの低い薬草採取の依頼を受けていた。
いつもなら魔導師ミレーヌの広域魔法で一掃して終わる、退屈な仕事のはずだった。
「――っ、はぁ、はぁ……っ! なんで、魔法が発動しないのよ……!」
ミレーヌが、青ざめた顔で杖を振る。
だが、杖の先からは小さな火花が出るだけで、迫り来るゴブリンの群れを止めることはできない。
「おいミレーヌ、さっさと焼き払え! 盾が持たないぞ!」
「無理よガイ! 魔力回路が……詰まったみたいに動かないの!」
彼らはまだ気づいていない。
アルスという「安全装置」を失ったことで、彼らの貧弱な魔力回路は、自分たちが放とうとする高ランク魔法の負荷に耐えきれなくなっていることに。
「ひっ、来ないで……! 誰か、誰か助けて……!」
かつて高慢に俺を追い出した聖女が、下級モンスターを前にして、情けなく悲鳴を上げた。
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次回、ついにギルドで「本物の規格外」が証明されます。
アルスの平穏な(?)新生活が始まります。お楽しみに!




