表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
27/50

第27話:ドワーフの王、俺の「魔導コンロ」を見て技術の敗北を悟る。

第27話をご覧いただきありがとうございます。


エルフに続き、ドワーフの王までもがアルスの元へ。

アルスの「便利になればいいな」という純粋な思いが、職人の世界に革命を起こしてしまいました。


 エルフたちが領地の庭園を整え始めた数日後、今度は地響きと共に、頑強な体躯を持つ一行がハルバート領を訪れた。

 大陸随一の採掘と鍛冶の技術を誇るドワーフ族。その王であるドランが、自慢の髭を震わせて俺の前に立っていた。


「おい、小僧……いや、アルス男爵! ガルド商会を通じて回ってきたあの『魔導具』……ありゃあ一体何なんだ!」


 ドランが俺の目の前に叩きつけたのは、俺がリアナの家事の負担を減らすために適当に作った『魔導コンロ』だった。


「何って……ただのコンロですよ。魔石のエネルギーを熱に変換する回路を、少し効率化しただけです」


「『だけ』だと!? この微細な魔力刻印、そして熱伝導の安定性! わしらドワーフの熟練工が一生かけても辿り着けぬ境地だ! これを作った奴は神か変態のどちらかだと思っておったが……まさか、こんな若造だったとはな!」


 ドランはコンロを抱え上げ、まるで国宝を眺めるような目で凝視している。

 俺にとっては、火力の調整が楽になればいいなと思って指先で描いた回路に過ぎないのだが。


「頼む、アルス男爵! わしら一族を貴殿の領地で雇ってくれ! この技術の端くれでもいい、近くで学ばせてほしいんじゃ!」


 ドワーフの王が、地位も名誉も投げ打って俺に頭を下げる。

 結果、ハルバート領にはエルフに続き、大陸最高の鍛冶集団までもが移住することになった。


 一方、王都の裏路地。

 逃亡の果てにボロボロになったエルザたちは、質屋の軒下で雨を凌いでいた。


「……ねえ、エルザ。さっき通った商人が持ってたあの魔導具……アルスが作ったものなんですって。火も出ないのに料理ができる、魔法のような道具……」


 ミレーヌの虚ろな言葉に、エルザは震える手で自分の汚れた胸元を掴んだ。


「……火なんて、魔法を使えばいいじゃない……。あいつの作るものなんて、全部紛い物よ……っ!」


 だが、そのエルザの手からは、もう火を灯すための魔力すら一滴も溢れることはなかった。

 かつてアルスが、彼女たちのためにどれほど繊細に、どれほど献身的に魔力を調整し、道具を整えていたか。

 それを「当たり前」だと思っていた代償は、あまりにも残酷な形で彼女たちに突きつけられていた。


 領地の工房からは、ドワーフたちの槌音と活気ある声が響いてくる。

 俺の小さな工夫が、新しい仲間たちの情熱に火をつけ、領地をさらに強く、温かく変えていく。

 俺は、リアナがコンロで淹れてくれた温かいお茶を飲みながら、その賑やかな音に耳を傾けていた。


ドワーフの王をさえ虜にするアルスの発想力。

彼の魔力が生み出す品々は、今や世界の産業そのものを塗り替えようとしています。


皆様の応援が、アルスの物語をより高く、より遠くへ届ける力になります。

もし「この先の展開が楽しみ!」と思ってくださったら、

下の【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にして、ブックマークと一緒に応援していただけると、執筆の凄まじい活力になります!

よろしくお願いいたします!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ