第26話:エルフの精鋭たち、俺の領地の「庭師」になる。
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人、神、そしてエルフ。
アルスの元には、彼の優しさと強さを慕う者たちが自然と集まってきます。
かつて彼を拒んだ者たちとは対照的な、温かな絆が領地を満たしていきます。
エルフの里に伝わる『始祖の聖樹』を救った後、俺はハルバート領へと帰還した。
だが、俺の馬車の後ろには、信じられないほど長く、美しい行列が続いていた。
「アルス様、改めてお願いに参りました。私たちエルフの若き精鋭百名、どうか貴殿の領地の末席に加えてはいただけないでしょうか」
馬車の横を並走する女王セレスティーヌが、真剣な眼差しで俺を見つめる。
精鋭といっても、彼らはエルフの中でも選りすぐりの魔導師や建築家たちだ。
「……末席って。そんな凄い人たちが、うちの領地で何をするんですか?」
「庭の手入れです。……いえ、聖域であるこの地の自然を管理し、アルス様の生活をより豊かにするお手伝いをさせてください。それが、聖樹を救っていただいた我が一族の誇りなのです」
結局、彼らの熱意に押される形で、エルフたちの移住を受け入れることになった。
ハルバート領に到着するなり、エルフたちは驚くべき速さで領内の緑を整え、精霊の力を借りた美しい住居を築き上げていく。
「アルス様! エルフの方々が植えた果樹が、もう実をつけ始めましたよ! 彼ら、アルス様の魔力が心地よすぎて、仕事が止まらないみたいです!」
リアナが楽しそうに報告に来る。
人間、神、そしてエルフ。
俺の領地は、今や種族の垣根を超えた「楽園」としての姿を整えつつあった。
一方、王都へと続く街道の影。
ボロボロの布を纏い、逃亡を続けるエルザたちは、街道を行き交う豪華な商隊の噂話を聞いて震えていた。
「……おい、見たか? エルフの女王が、あのアルス男爵に直々に頭を下げたらしいぞ」
「ああ。今やあの領地は、エルフすら傅く聖域だって話だ。あそこに拾われれば、一生安泰なんだがなぁ」
その言葉を聞いたエルザは、乾いた笑いを漏らした。
「……エルフの、女王……? 嘘よ。あいつは、私の……私の魔力がないと、何もできなかったはずなのに……」
かつて自分が「荷物持ち」として扱っていた男が、今や異種族の王すらも従える世界の中心になっている。
その事実を突きつけられるたびに、エルザの心は、取り返しのつかない後悔によって削り取られていった。
夕日に照らされる領地を見渡しながら、俺はフェンリルの背を撫でた。
仲間が増え、賑やかになっていくこの場所を、俺は俺のやり方で守り抜くと、改めて心に決めた。
エルフたちの参入により、ハルバート領はさらなる発展を遂げようとしています。
アルスの「無自覚な成り上がり」は、もはや止まることを知りません。
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