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第17話:未開の地を指先一つで楽園に変えたら、王女様が絶句した件。

第17話をお読みいただきありがとうございます!


ついに領地が「楽園」へと変貌を始めました。

アルスの魔力は、破壊だけでなく「創造」においても規格外。

王女様との穏やかな時間と、救いのないエルザたち。このコントラストをぜひお楽しみください!


 ハルバート領主館のテラス。

 俺がこの土地に来てから、まだ一週間も経っていない。

 だが、かつての荒れ果てた遺跡群は、今や見る影もなくなっていた。


「……信じられぬ。たった数日で、これほどまでの浄化を成し遂げるとは」


 視察に訪れたシルフィア王女が、目の前の光景に呆然と立ち尽くしている。

 彼女の視線の先には、俺が魔力を通したことで常時発動している『豊穣の結界』があった。


 そこでは、季節外れの花々が咲き乱れ、果樹園には握り拳ほどもある瑞々しい果実が実っている。

 川には清浄な水が流れ、その水自体が微かな魔力を帯びて、傷ついた旅人の体を癒やす『霊水』へと変貌していた。


「アルス殿、貴殿は一体何をしたのだ? これほどの広域浄化、国中の神官を集めても数年はかかるはずだが」


「いえ、少し地面の魔力回路を繋ぎ直しただけですよ。元々この土地は魔力が豊富でしたから、俺の魔力で『道』を作ってあげれば、勝手にこうなったんです」


「……『だけ』、か。貴殿の常識は、やはり我が国の魔導書をすべて書き換える必要があるな」


 シルフィア王女は溜息を吐きながらも、その瞳には深い敬愛の色が滲んでいた。

 彼女は、俺が差し出した領地特産のリンゴを一口かじると、その甘美な味に再び目を見開いた。


「美味しい……! これだけで、王宮の晩餐会に出せる級品だ。アルス殿、この領地は間違いなく、世界で最も豊かな聖域になるだろう」


 俺は、リアナが淹れてくれた最高級のハーブティーを飲みながら、柔らかな風に目を細めた。

 仲間の顔色を伺い、罵声を浴びながら重荷を運んでいた日々が、遠い昔のことのようだ。


 一方で。

 王都の外縁、泥濘にまみれた鉱山の休憩所。

 エルザたちは、配給された一切れの硬いパンを三人で分け合っていた。


「……ねえ、エルザ。もう、魔法なんて一生使えない気がするわ」


 ミレーヌが、ひび割れた自分の手を見つめて力なく呟く。

 かつて誇っていた魔力回路は、無理な負担とアルス不在の反動でボロボロになり、今や火を灯すことすらできない。


「……うるさい。アルスさえ、アルスさえ戻ってくれば、こんな生活すぐに終わるのよ……」


 エルザは虚ろな目で、アルスがいるであろう西の空を見つめていた。

 だが、その空はあまりにも遠く、今の彼女たちの声が届くことは、二度とない。


「よし、次は湖の方も手入れしてみようかな。あそこを温泉にできれば、もっとみんなに喜んでもらえるかも」


 俺は立ち上がり、新しい居場所をより良くするために、再び指先に魔力を込めた。


温泉開発に乗り出すアルス。彼の「癒やし」の力は止まるところを知りません。

読者の皆様に、最高の「スカッとする展開」と「ワクワク」をお届けできるよう、全力を尽くしております!


皆様の【★★★★★】評価やブックマークが、何よりの追い風となります。

ぜひ、アルスの新しい伝説を一緒に支えていただければ幸いです!

次回、領地に「伝説の魔獣」が迷い込む!?


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