第14話:かつての聖女が放った「絶望」は、俺の指先にすら届かない。
第14話をお読みいただきありがとうございます!
ついに直接的な攻撃を仕掛けてきたエルザですが、アルスの「格」の前には、禁忌の魔法すら無力でした。
絶望的な実力の差が、物語をより加速させていきます!
「……アルス、あんたのせいで! あんたが私を拒むから、私はこんなに惨めなのよ!」
シルフィア王女の剣に遮られ、地面に這いつくばったエルザが、顔を歪めて叫んだ。
その瞳に宿っているのは、かつての慈悲深き聖女の面影ではない。
自分を捨てた現実への逆恨みと、制御を失ったどす黒い執着だ。
「死ちなさいよ! あんたがいなければ、こんなに苦しまずに済んだのに!」
エルザが懐から取り出したのは、赤黒い光を放つ魔導結晶だった。
借金を返すために質に入れず、隠し持っていた禁忌の兵装。
彼女は自分のなけなしの魔力をすべて注ぎ込み、結晶を粉砕した。
――ガキィィィィィィン!!
瞬間、周囲の大気が凍りつくような殺気が膨れ上がる。
結晶から放たれたのは、触れたものすべてを塵に変える高密度の解体魔法。
それは無防備な俺の背中を目掛けて、一直線に放たれた。
「アルス殿!」
シルフィア王女が鋭い声を上げ、剣を振るおうとする。
だが、それよりも早かった。
――チィィィン……。
耳心地の良い、微かな金属音。
エルザが命を削って放ったはずの死の魔法は、俺の背後に展開された見えない「壁」に触れた瞬間、水面に投げた小石のように虚しく弾け飛んだ。
俺は一歩も動かず、振り返ることすらなかった。
「……何よ、これ。私の、私の最大火力が……届かない……?」
エルザの顔から血の気が引いていく。
俺は、彼女に魔法を防ごうという意識すら向けていない。
ただ、内側から溢れ出す圧倒的な魔力の余波が、自動的に周囲を保護する強固な『領域』を作り上げているだけなのだ。
「悪いけど、今の君の魔法じゃ、俺の服の埃一つ払えないよ」
俺が静かに告げると、弾け飛んだ魔法の残滓が、因果応報と言わんばかりにエルザたちの方へと逆流した。
「ぎゃああああああああああああっ!?」
自分たちの魔法の反動を受け、エルザたちはゴミのように吹き飛んで、屋敷の門の外まで転がっていく。
「無礼者共め。これ以上、この御方に不浄な手を伸ばすことは許さぬ」
シルフィア王女が冷徹に宣告し、門が重々しく閉ざされた。
扉の向こうからは、エルザたちの惨めな泣き声だけが聞こえていた。
「……アルス殿、怪我はないか?」
「ええ。大丈夫です。……ただ、少しだけ悲しいですね。あんなに必死に守りたかった人たちが、あんな顔をするようになるなんて」
俺の言葉に、シルフィア王女はそっと俺の肩に手を置いた。
「貴殿が彼らを捨てたのではない。彼らが、自ら救い手を振り払ったのだ。貴殿はもう、前だけを見ていればいい」
王女の温かい言葉が、俺の心に深く染み渡っていった。
アルスを守ろうとする王女様と、自爆していくエルザたち……。
この物語をより多くの人に届け、ランキングの頂点へと押し上げたいと強く願っております!
皆様の【★★★★★】という評価やブックマークが、本作をトップへ導く最大の力になります。
共に「最高の結果」を目指して、応援していただけると嬉しいです!
次回、聖女たちの不正が暴かれ、物語はさらなるクライマックスへ!




