第12話:数万の魔物を一歩も動かずに一掃。これ、全部俺の魔力なんです。
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ついにアルスの力が「国家救済レベル」であることが全人類に示されました。
数万の魔物を一瞬で砂に変えるカタルシス!
そして、それを見て腰を抜かす聖女たち……。
王都の北門。そこから見える景色は、まさに地獄だった。
地平線を埋め尽くす魔物の群れ。咆哮が重なり合い、大気を震わせる不気味な地鳴りが王都へと迫っている。
「……ひどいな。想像以上だ」
「ああ。騎士団だけで防ぎ切るのは、もはや不可能に近い」
傍らに立つシルフィア王女が、魔剣の柄を強く握りしめる。
防壁の上では、名だたるベテラン冒険者や魔導師たちが、その絶望的な光景を前に戦意を失いかけていた。
その群れの最後尾。
どさくさに紛れてついてきたエルザたちが、ガタガタと震えながら防壁の隅に隠れていた。
「な、なによこれ……こんなの、勝てるわけないじゃない……っ!」
「おい、アルスが前に出たぞ! あいつ、死ぬ気か!?」
ガイの叫び通り、俺は一人、防壁の最前線へと歩み出た。
「アルス! 今からでも遅くないわ、私に泣きつきなさいよ! 聖女である私が祈れば、少しは生存率が上がるかもしれないんだから!」
後方から聞こえるエルザの虚しい叫びを無視し、俺は静かに両手を広げる。
「……リアナ、シルフィア様。少し眩しくなるので、目を閉じていてください」
俺は、内側の魔力の『防壁』をすべて取り払った。
これまで仲間を、そして自分を壊さないために抑え続けてきたエネルギー。その深淵を、初めて外の世界へと解放する。
――ゴォォォォォォォォォォォン!!
衝撃波だけで、迫り来る魔物たちの先遣隊が塵へと変わった。
俺の背後に立つ騎士たちが、あまりの魔圧にその場にひれ伏す。
「なんだ……この光は……太陽が、地上に降りてきたのか!?」
俺の頭上に形成されたのは、超高密度の魔力が編み上げた「黄金の極光」。
それは無数の光の矢となり、意思を持つかのように数万の魔物目掛けて降り注いだ。
「――『天界の光雨』」
着弾の瞬間、轟音すら消えた。
ただ、圧倒的な純白の光が視界を埋め尽くす。
数秒後。
光が収まったそこには、地平線の彼方まで続く「さらさらとした砂の道」だけが残されていた。
数万いたはずの魔物も、その咆哮も、絶望も。すべてが跡形もなく消滅していたのだ。
「……ふぅ。ちょっと広めに撃ちすぎたかな」
俺が何事もなかったかのように振り返ると、そこには信じられない光景を見つめる数千の人間が、石像のように固まっていた。
やがて――。
「「「「う、うおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!」」」」
地を揺らすような大歓声が、王都中に響き渡る。
その喧騒の中。
エルザは腰を抜かし、自分の股間が濡れていることにも気づかずに、虚空を見つめていた。
「……嘘。嘘よ……。あんな魔法……神話の世界の話じゃない……」
ミレーヌは杖を落とし、ガイは盾を手放していた。
自分たちが「荷物持ち」と呼んでいた男。
その指先一つで、国を滅ぼす災厄が消えた。
自分たちが捨てたものの「正体」を、彼らはようやく、魂の底から理解し始めていた。
まさに「伝説の誕生」です。アルスはもう、誰にも手の届かない領域へ行ってしまいました。
一方のエルザたちは、もはや「後悔」すら許されないほどの格差を突きつけられています。
「これぞなろうの醍醐味!」「アルス様、マジ神!」
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