第11話:魔物暴走の予兆。そして旧パーティーの「最後の悪あがき」。
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物語はいよいよ、王都を揺るがす「魔物暴走」編へ!
アルスの英雄としての活躍の裏で、未だに「自分たちがいないとアルスはダメだ」と思い込むエルザたち。
この認識のズレが、次の「ざまぁ」をより深く、重くします!
新しい屋敷での生活は、驚くほど穏やかだった。
朝はリアナが淹れてくれた紅茶の香りで目覚め、午後は広大な庭園で、シルフィア王女から贈られた魔導書を読み耽る。
だが、そんな平穏を破るように、王都の空気が一変した。
「アルス様、失礼いたします!」
慌てた様子で部屋に入ってきたのは、シルフィア王女だった。彼女は戦闘用の軽装に身を包み、その表情はかつてないほどに険しい。
「アルス殿、緊急事態だ。王都の北側に位置する『嘆きの森』で、魔力の異常奔流が確認された。……間違いなく、魔物暴走の予兆だ」
「スタンピード……。あの森には、Bランク以上の魔物が数千はいたはずですよね?」
「ああ。すでに近衛騎士団を配備しているが、今の魔力密度では、彼らの防具が持たない。そこでアルス殿……貴殿の『あの力』を借りたいのだ」
シルフィア王女は、俺の【魔力肩代わり】が、個人の戦闘だけでなく「集団の守護」に転用できることを見抜いていた。
俺一人いれば、騎士団全員に無尽蔵の防御バフをかけ続けられる。
「分かりました。俺も行きます」
俺が立ち上がったその時。
屋敷の門前で、聞き覚えのある「騒がしい声」が響いた。
「通しなさいよ! 私はアルスの幼馴染のエルザよ! 聖女である私を、こんな場所で待たせるなんて不敬だわ!」
門の外では、ボロボロになった服に身を包み、衛兵に掴みかかろうとするエルザの姿があった。
背後には、武器さえ持たないガイとミレーヌが、卑屈な笑みを浮かべて立っている。
「アルス! アルス、そこにいるんでしょ!? 分かってるわ、あんた、わざと私に意地悪をして気を引こうとしてるのよね? もういいわ、許してあげるから、私たちを中に入れなさい!」
エルザの言葉に、俺は思わず溜息をついた。
彼女たちはまだ、自分たちが犯した過ちの大きさを理解していない。
「エルザ、もう遅いよ。俺はこれから、王女殿下と共にスタンピードを止めに行く。君たちに構っている暇はないんだ」
「ス、スタンピード……? ちょうどいいわ! 私たちもついていってあげる! 聖女である私の加護があれば、あんたの不完全な魔法もマシになるはずよ!」
エルザは、今の自分の魔力が空っぽであることも忘れ、歪んだ優越感に縋り付こうとしていた。
シルフィア王女が冷徹な視線を彼女たちに向ける。
「……アルス殿、この者たちは何だ? まるで、己の死に場所を探している愚者にしか見えぬが」
「以前の仲間……でした。でも、もう関係ありません」
俺はエルザたちを一顧だにせず、王女と共に馬車へと乗り込んだ。
置き去りにされたエルザは、遠ざかる馬車に向かって、顔を真っ赤にして叫び続けていた。
「行きなさいよ! 行って、後悔すればいいわ! 私がいないと、あんたなんて一瞬で魔物に食い殺されるんだから!!」
彼女は知らない。
食い殺されるのは、もはや守り手を失った「自分たち」の方であるということに。
王女様との共闘、そして旧パーティーの身勝手な叫び……。
スタンピードという極限状態の中で、アルスの「本物の力」がいよいよ全読者に知れ渡ります!
「王女様、もっと毒舌を!」「エルザの勘違いが痛々しくて最高(笑)」
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次回、アルスの一撃がスタンピードを飲み込みます!




