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アレクシス・ブルックスの今


ただいまー……

……おわっ!?

こら!アメリア!いきなり抱きつくなって、いつも言ってるだろ!


どうした、アメリア……?

何かあったのか?

そんな不貞腐れた顔をして。


もしかして、ニコラスが産まれてから、パトリック父さんとノエル母さんが構ってくれなくて拗ねてるのか?

……ははっ!悪かったって、叩くなよ。

わかったわかった、アメリアは拗ねてない。

ほら、抱っこしてやるから。

機嫌直せって。


そうだ。

この前、カイル兄から昔のノエル母さんのかっこいい話を聞いたんだ。

お詫びに教えるからさ、な?


父さんたちが学園に入学したての頃。

学園では、『地下迷宮探索』っていう特別な勉強があるんだ。

そうだな……アメリアには、地下に行く“遠足”って言った方がわかりやすいか。


そこで、カイル兄とノエル母さんがペアだったらしい。

地下に潜って、最初にたどり着いた部屋で。

床には、一から九の数字が書かれているタイル。

壁には『空を泳ぐ魚を示せ』としか書いてなかったらしいんだ。

カイル兄は「さっぱり、わからんな!」って、早々に考えるのをやめちゃったんだって。


その時、ノエル母さんがふいに上を見上げたのを、カイル兄が見ていたらしい。

そしたら、突然「あ!」って声を上げたんだって。

上を見ただけで正解がわかったらしい。


アメリアは、答えわかるか?

……これだけじゃあ、わからないよなぁ。

僕もカイル兄に話を聞いてた時、全然わかんなかったし。


それで、ノエル母さんはカイル兄に向かって、

「私は“二”を踏みますので、カイル様は“三”をお願いできますか?」

って、言ったんだ。

カイル兄は『パットの婚約者だから』って、疑いもせず“三”を踏んだらしい。

すごい信頼だよな。

アメリアは、お願いされたらすぐ踏めるか?


――はははっ!そうだな、“ママは嘘をつかない”もんな。


そうしたら、本当に扉が開いたらしい。

ああ、ノエル母さんはすごいよな。


カイル兄は次の部屋に向かう途中で、ノエル母さんに聞いたらしい。

「なんで正解がわかったんだ?」って。

ノエル母さんは、顔を真っ赤にして「笑わないでくださいね」って言って、カイル兄に教えてくれたんだ。


「少し前、星座占いを見てたんです。……私とパディ様の相性を……」


それで、二月と三月の星座が“うお座”だったって思い出したらしい。


(この頃からずっと、パトリック父さんを好きでいるノエル母さんが、ある意味すごいよな)


……ああ、本当にノエル母さんは、パトリック父さんのことが好きだなって考えてたんだ。

よし、続きだな。

次の部屋の罠は、カイル兄の独壇場……

簡単に言うと、ノエル母さんはカイル兄の応援を頑張ってたんだ。


本人から聞いた話だと……

『細いシーソーの端にある宝箱を走って取ってきたら、宝箱の中に鍵があった。』

……まあ、そうだよな、よくわからないよな。

僕も、この時の説明はいまいちわからなかったんだ。

多分だけど……床がない部屋にシーソーみたいな罠があって、その先端に宝箱があったんだと思う。


きっと、宝箱の中身を取ったら、シーソーみたいに片側にばたんってなって、出口側に行けないっていう罠だったんだろうけど……

カイル兄は、強化魔法と風魔法の使い手だからね。

……カイル兄には、関係ない話だったんだと思うよ。


そんな罠も攻略して、最後の部屋。

ここで、ノエル母さんはカイル兄を大怪我から守ったんだって。

アメリアは、ノエル母さんが使う魔法を覚えてる?

……そう!防御魔法!

アメリアも、パトリック父さんのお腹にいた時、この魔法に守られてたんだよ。


部屋の中には、おっきいゴーレムがいたんだ。

……どのくらい?

どのぐらいって、言ってたかな……

今度、カイル兄に会ったら聞いておくよ。


普通の土属性のゴーレムなら、簡単に倒せたらしいんだけど、そのゴーレムは火属性だったんだ。

アメリア、火属性と相性が悪い魔法属性を覚えてるか?

――正解!風魔法だ。

ちゃんと勉強してるな、偉いぞ!


カイル兄の風魔法だと相性が悪くて、カイル兄だけだと倒せなかったんだ。

それで、ちゃんと作戦を考えようってなった時にさ。

予想してなかったゴーレムの攻撃が飛んできたんだって。

それに気付いたノエル母さんは、カイル兄に素早く防御魔法をかけたんだ!

この時、ノエル母さんの魔法がなかったら、カイル兄はたくさん痛い思いをしたかもしれないんだ。


な?ノエル母さんかっこいいだろ?


ゴーレムは倒したのかって?

もちろん!

しかも、なんと!ゴーレムを倒したのは、パトリック父さんだよ!


(……おそらく、ここで二人の初キスをしたであろうという話は……しなくていいな)


うん。

なんでもないよ。

ゴーレムの攻撃を気にもせず、弾き返す姿はまさに――


「二人とも、いつまで玄関ホールにいるんですか!風邪引きますよ!」


「アメリア、今日は寂しい思いをさせちゃいましたね。ちょっと遅いですけど、今からアメリアがしたい事をしましょうか。」


ほら、父さんたちが呼んでる。

続きは、また今度な。


――アメリアを抱え直して歩き出す。


奥から聞こえてくる父さんと母さんの声を聞きながら、僕は少しだけ笑った。

あーあ。

僕も二人みたいに好き合える相手を、早く見つけたいなぁ。



ナチュラルに二人目を出産しております。

弟のニコラスくん。


評価、ブクマ、レビュー、感想ありがとうございます!

大変励みになっております!

引き続き、どうかよろしくお願いいたします!

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