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裏エピソード18 続々々

 ぎらぎらと降り注ぐ真夏の陽光に、私は思わず目を細めた。中途半端な時間に下校したせいか、通学路には誰もおらず、閑散としたアスファルトに容赦のない光が降り注いでいる。地面からは陽炎が立ち上り、行く先が歪んで見える。

 失敗したかもしれない。


 いつもよりゆっくり歩いていても、そう思わずにはいられなかった。やっぱり体力が衰えているのか、いつもより歩くのがきつかった。増してこの真夏日だ。

 中学校は比較的町外れに建っていた。だから、昼間の通学路は静かで、おまけにこの猛暑のせいか人っ子一人いない。道路端に沿って歩きながらも、時々足元がふらついた。

 ごめんなさい、先生。

 最後まで保健室の先生は私が一人で帰ることに反対していた。その時の私はもう大丈夫だと思っていたが、私が考えていたより体力の消耗は激しいらしかった。歩いているだけなのにすぐに息が切れる。


 それでも。私は優太朗が言うのなら、一人で帰らなければならないような気がした。それで彼自身の気が晴れるわけでもないだろうけど、そうすることで私は自分自身に対しての免罪符を発行できるような気がした。それは、同時に私を精神的に扶助してくれる。


 道は基本的には平らかだが、中学校の方は海抜がやや高いので、私達が住む宅地や駅の方に向かっては緩やかな下り坂になっていた。一歩一歩踏みしめるようにして歩く。こんなに下校の道が長く感じたことはなかった。まだ着かない。


 どうすれば、もう一度昔みたいになれるんだろう。私はただ、優太朗と一緒に居たかっただけなのに。昔みたいに一緒に遊びたいだけなのに。優太朗の敵意に満ちた言葉に従って、それで償ってるつもりになって、今この道を歩いている自分がひどく惨めだった。照り付ける陽光は痛くて、身体は重い。

 思考がまたぼんやりとしてくる。そういえばさっきのテストの時もこんな感じだったな。


 道路脇に、石の階段が見えて来た。そこを下って下の道路に出ると、後はそこを真っ直ぐ進めば我が家だった。

 ぼんやりしたまま、階段の一段目を降りようとした瞬間、

「え?」

 私は、突然自分の体がふらつくのを感じた。しかし歩みは止めようもなく、そのまま階段の一段目を踏み外した。ぐんぐん石段の地面が近づいてきて…………



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