第七十五章 激闘の果てに
ありがとうございます。
「確かにお前は強い。だからどうだ?私の仲間になるというのなら、助けてやってもかまわんぞ。下にいる者達もだ」
「そんなこと、信じる訳ないだろう」
「力の差は歴然だが?」
確かに、とんでもない魔力だ。
見てるだけでそれが伝わってくる。
「そんなことどうでもいいさ。今思えば、昔の自分の愚かさ、皆の優しさや、世界のあり方が理解できる。だから、俺は何処までも戦える!」
光のレーザーが俺を襲う。
「『月光ノ鏡』」
全てのレーザーをはね返した。
返されたレーザーはそのままリシュエルを襲う。
「がっ!」
「悪いが、今までの俺だと思うなよ」
リシュエルの周辺を飛び回り、隙を見つければ切り刻む。
「ぬぁぁぁぁぁぁぁぁ!貴様などに!」
リシュエルは俺に向かって来る。これでいい。
下をチラリと見ると、皆が船へと向かっている。
「なるほど、そういうことか・・・・」
リシュエルも皆の方を見ていた。
「甘いな。そんなのだから貴様は負けるのだ」
「そんなの?守るべきものがある。そういう奴は、何処まで行っても強いんだよ」
「なら、守って見せるろよ!」
そう言って、リシュエルは皆の方に向かった。
「行かせるか!『燃ユル空』」
俺とリシュエルを囲むように空を炎が覆った。
「ぐっ!・・・はぁっ!」
魔力を放ち、炎を強引に吹き飛ばす。
「くそっ!」
「死ねぇぇぇぇぇぇ!」
皆が乗り込んだ船にリシュエルが向かうが、俺が目の前に立ちはだかり、魔力の盾で抑える。
「速く行けぇ!」
すると、エミナが出て来て言った。
「でも!ユウ君が!」
「俺のことはいい!速く!」
「絶対に帰って来てよ!」
そう言って、皆を乗せた飛空艇は出発した。
「残念だったな・・・『波動』!」
右手に膨張した魔力が集結して弾ける。
波動の衝撃によってリシュエルはブッ飛ばされた。城を粉砕し、動かなくなる。
「・・・・・」
俺はリシュエルの前まで行く。
リシュエルは瓦礫の中から出て来た。
「僕は貴様にやられるかぁぁぁぁぁ!」
口から破壊光線を浴びせるが、
「負けねぇよ・・・」
体プスプスと焦げ臭い。
「何故だ!何故立っていられる!」
次は無数の羽を飛ばして来た。
俺はそれを二本の刀を使って弾くが、太腿と肩、更に腹にまで突き刺さった。
「ふっ、これでお前も・・・」
それでも俺は立っていた。
「何故、何故・・・」
俺はヤミガラスとアスカを構えた。
「負けねぇよ。絶対に・・・負けねぇよ!」
俺は走り出した。
「くっ、来るなぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
リシュエルが次々と攻撃を繰り出すが、その全てを回避したり刀で弾く。
「何故だっ!何故そんな目が出来る!その先に何がっ!」
「お前の目は最初っから曇っていたんだ。人間を支配するだけを考え、仲間すら裏切り、主を偽り続けた」
リシュエルの翼を全て切り裂く。
俺は怪物の額にあるリシュエルの所に来た。
「がぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
リシュエルは右腕を巨大な剣に形状を変え、縦に振り下ろして来た。突然の攻撃だったが、俺はしっかりとその攻撃を見切り、その剣を砕いた。
「なっ・・・こんなバカなことがあってたまるかぁぁぁぁぁぁ!」
リシュエルは吠えるが、俺は容赦なくその両腕を切断した。
「はぁ・・・はぁ・・・クソが。下劣な人間に、この僕がやられるはずがないんだ!」
リシュエルは俺をはねのけ、後ろに後退した。
「負ける筈がない!負ける筈がない!負ける筈がない!」
魔力を一点集中した。
「消え去るがいい!『インフィニティ・ホーリーレイ』!」
神々しく光る莫大な光が放たれた。
その光を前にしても、俺は表情一つ変えずに刀を構えた。
それに苛立ったのか、
「そういう態度が一番ムカつくんだよぉ!」
光が増した。
「死ねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」
俺は天使化を解除した。
すっと、体から力が抜けていく。
「俺は、俺のために、俺一人のためだけに生きて来たかもしれない。だが、この瞬間は、この瞬間だけは違う」
エミナ、サシャ、ヨシュア、リタ、フィア、師匠、その全ての人の為に戦う。
「究極破壊魔法秘奥義『ブレイク』!」
放たれたはずの光が全て粉々に砕け散った。
「そ、そんな筈は・・・・」
一筋の太刀がリシュエルを切り裂いた。
「がはっ・・・認めない・・・認めないぞ・・・・・・僕が、僕が人間に・・・・」
俺は奴の首に刀を添えた。
「負けたんだよ。人間に」
その首元に向かって振り下ろした。
「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」
クソッ!力が・・・・。
魔力を使い過ぎた。
脚がフラフラして前に進めない。城を出たところで、天界が崩壊して行くのが分かった。地面や城が崩壊していく。
もう、魔力が残ってねぇ・・・。
魔法で逃げようと思ったが・・・こりゃ、ダメだわ。
「うっ!」
その場に倒れる。
絶望的な状況。俺は暗い気持ちではなかった。
「これが俺の最期か・・・・悪く、ないな」
天界は崩壊した。
決着つきましたww




