表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ブレイク!  作者: ぞえ
68/77

第六十七章 死龍の墓場


「ユウは、お前が直接倒すのか・・・。本当にいいのか?」

「・・・元々、そうなる運命ではなかったのです。それに、あの人は大切な人を新たに作りました」

「なるほど。お前がそう言うなら仕方ない。次の刺客として、お前が行くがいい」

「ありがとうございます」


 そう言って、アリエルはユグドラシルの前から消え、部屋に戻った。


「ふぅ・・・。私も疲れたのかもしれない・・・」


 アリエルは今までのことを思い返していた。

 部屋を整理する。


「ふふ、とても人間らしいことをするのね、私って・・・」


 彼女の頭の中にユウの顔が浮かぶ。

 何故、彼女がユウのことをそんなにも思うことがあるのかというと、ユウとアリエルの間には、少しでは済まされない話があったからだ。

 

「ユウ・・・」


 アリエルは出撃準備をした。


「もう、迷わない。だって、私は死んだから。二度も」




 古龍の牙とは、かつてこの地を支配していた二頭の龍。赤龍、ウェールズ・ドラゴン。白龍、サクソン・ドラゴン。

 このどちらかなのだが・・・。


「おいおい・・・本当にこんな場所にあるのかよ?」


 リタと、フィア。そして、エミナと俺の四人で最後の素材を取りに行っていた。


「何言ってんの、ユウ。信頼のおける情報なんだから。ていうか、情報屋も雇ってないの?それでも傭兵?」

「・・・・」


 リタさん。相変わらず厳しい発言で。


「そうよ、ユウ。私だって依頼に行くときは足りない情報は情報屋に頼んで集めるんだがら」

「そ、そうなのか?」

「そうよ」

「まぁまぁ、二人とも」


 フィアにまで言われる。


「まぁ、とにかく行こうぜ」


 骨と骨の間を突き進む。

 ここは、龍の墓場。死龍の谷。

 幾銭もの龍達が古代の大戦で死んだ場所である。ここの何処かに赤龍、白龍のどちらかの骨が埋まっているんだろう。

 死龍の谷は薄暗く、深い谷の中である。

 この龍達の残骸が何処まで続いているのかは俺でも把握出来ていない。


「・・・!今、何か動かなかったか?」


 一瞬、視界の端で何かが動いた気がした。


「・・・ユウの見間違いじゃない?」


 リタが汗を作りながら言った。


「そ、そうよ!」

「そう向きになるなよ、フィア」

「うっ、ごめん」

「けど、何かいそうだよね」

「まぁ、いいけど・・・。一応、魔物がいるかもしれん。警戒しながら行こう」

「「「うん」」」


 各自、武器を取り出す。


「・・・これは・・」

「どうしたの?ユウ君」


『索敵』を発動してみれば、後ろから俺達に向かって接近してくる反応があった。


「この反応は・・・」

「ユウ!一体、どういう・・・」


 リタが叫ぶ。

 次の瞬間、フィアの後ろに腐ったドラゴンが現れた。


「フィア!逃げろ!」

「えっ!」


 ドラゴンの尻尾に弾き飛ばされる。


「くそっ!エミナ!フィアを頼む。リタ、行くぞ!」

「解ってる!」


 俺が右側、リタが左側から攻撃する。

 

「こいつ、腐ってるってことは、ドラゴンゾンビか」

「ちょっと!ドラゴンゾンビなんて、めちゃくちゃ強いのよ!」


 リタの槍はドラゴンゾンビには全く通用していなかった。


「硬い!」

「ああ、俺の魔法も食らわない。こいつ、体内に魔封じの杖を持ってる」

「魔封じの杖?」

「使えば、一定範囲の魔法を全て無効化にする杖。魔道士にとっちゃ、天敵だな」


 ドラゴンゾンビはボイスブレスを放って来た。


「くそっ!こいつは、ヤバいぞ!『魔浄双璧』」


 ブレス攻撃を魔力の盾で防御する。


「今だ!」

「せぇぇぇぇぇぇぇいっ!」


 ドラゴンゾンビの攻撃を正面で俺が受け、リタが空中から一撃食らわした。


「少しは効いたみたいね」


 奴の動きはさっきよりも悪くなっている。が、不死の体なので、さっさと倒さないといつまでたっても倒せない。


「しゃーない。ちょっと、槍を貸せ」

「な、何をっ!」

「うるさいなぁ。まぁ、とにかく・・・『光素錬金』」


 リタの槍に光属性が追加された。


「確かに。不死に対しては、聖なる攻撃が有効ね」

「俺は前の戦闘で魔力を使い過ぎた。慣れないことはするもんじゃないが、これぐらいのことなら出来る。が、これも魔法の一種だ。直ぐに魔封じの杖で無効化される。だが、あの力は何発も連射出来ない。だから、あいつがこちらに攻撃目標を絞るぐらい、でかい魔法を打つ」

「その隙に私が攻撃」

「そっ、タイミングが重要だ。頼んだぞ」

「りょーかい」


 ドラゴンゾンビはまたブレス攻撃を仕掛けようと、口を膨らませる。


「やらせるかよ!『緋炎・炎龍・改』!」


 炎の龍が三体に増え、ドラゴンゾンビを襲う。ドラゴンゾンビは咄嗟に魔封じの杖を使う。炎の龍は一瞬にして消え去った。が、


「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」


 光る槍を持ったリタが上空からドラゴンゾンビの首を切り落とした。地面にドラゴンの首がゴロリと転がる。


「よしっ!」


 巨体が地面に倒れる。


「こいつは、燃やしておこう」

「ああっ!ユウの弱点が!」

「うるせい!」


 ドラゴンゾンビの体は燃え始める。


「エミナ、フィアはどうだ?」

「割と回復してるみたい」

「う・・・ユウ。ごめん」

「いいよいいよ。俺だってあれは避けれなかったし」

「う・・うう・・・」

「んじゃ、エミナはフィアの面倒をみていてくれ」

「それじゃ、ここから先は私達だけで行きましょう」

 

 リタと俺は二人を残して、先に進むことにした。

 十分程歩いていると、リタが言った。


「ねぇ、ユウって、元恋人がいるんじゃなかったけ?」

「ぶっ!」

「汚い!」

「何言ってんだよ」

「だって、今の恋人はエミナでしょ?その前に、誰かいなかったけ?ネスって奴が攻撃して来た時に。誰か復活させたでしょ?」

「ああ、サシャのことか・・・」

 

 元恋人と言う表現は少々間違っているのかもしれん。

 確かに彼女のことは好きだが、死んでしまったのだ。二度も。一回目は俺がいなかったから。二回目は俺が殺したんだ。


「別に今更どうこう言う話じゃないよ。終わったんだから」

「ふぅん。それじゃぁ、その子とエミナ。どっちが好きなの?」

「どっち・・・って言われても、エミナだよ。サシャは死んだんだから」

「じゃぁ、その子が生きてたらその子と付き合っていた?」

「お前はなんちゅー質問をするんだ。そんなの解んねーよ。けど、俺は今エミナが好きなんだ。それで、いいだろ」

「へぇ・・・ふぅん」

「何だよ、その眼は?」

「別にぃ」

「ほらほら、着いたぞ」

 

 俺達の前には大きな龍の骨があった。

 赤龍、白龍。どちらかは解らないが、巨大な龍の牙を取り、袋にしまう。


「何か、最後にあるかと思ったが・・・何もなかったな」

「何もないならそれでいいわよ」

「ん」


 リタと俺はエミナとフィアの所まで戻って来た。


「どう、取れた?」

「ああ、取れたぞ。これで・・・ん?」


 突然空が眩しく光る。

 次の瞬間、俺達の目の前に一人の天使が降臨した。


「き、綺麗・・・」


 リタが呟いた。

 リタの言う通り。この天使は超がつくほどの絶世の美女だった。美しい金髪の髪を後ろで束ね、バランスのいいスタイル。

が、誰かに似ていた。


「私は天使長アリエル。そこの人間、大人しく、捕まるのか。死ぬのか。どちらかを選びなさい」

 

 そう、剣を持って俺に突きつけた。


「天使は一体何が狙いなんだ?」

「天使の力は天使のみが許される力。人間のあなたが使っていい技ではない!」

「んなこと、母さんにでも言えよ・・・」

「・・・エミリアは・・・」


 ん?


「母さんのことを知っているのか?」

「・・・エミリアは私の友人でした・・・。けど!」


 アリエルは剣を構えて飛んで来た。


「やるしかないのか!」


 俺の魔法と、彼女の剣が衝突した。


大天使アリエルとユウの一騎打ちですねww

けど、アリエルとユウの間には、ユウが知らない秘密があるんですよねぇ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ