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ブレイク!  作者: ぞえ
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第五十七章 牧場計画

 

 右拳はミファエルの右手によって簡単に捻じ伏せられてしまった。


「ちっ!」


 右手を戻し、後ろにステップを取る。そのまま着地際に、


「『黒式・漆黒砲』!」


 黒の銃を出す。


「『白式・明朝砲』」


 真っ黒な弾と真っ白な弾が衝突し、爆発する。

 俺は巨大な銃を持ちながらミファエルの後ろを取った。そのまま引き金を引くが、


「悪いな。私が天使だと言う事を忘れたのか?」

 

 翼で上へ舞う。

 それを狙い撃つが、全て回避されてしまった。


「『フォトン・アロー』」


 無数の光の矢が翼から放たれる。


「『五天・星天の盾』」


 五角形の盾によって俺の当たる矢は全て弾かれるが、


「つ・・・・・」


 しかし、盾に蓄積されたダメージによって盾は呆気なく破壊された。


「くそがっ!『餓狼』」


 呼び出した五匹の狼が宙を舞いながらミファエルを襲うが、全て掻き消される。


「人間は過ちを犯す愚かな生き物だ」

「それが!どうした!」


 俺の攻撃をことごとく潰す。


「だからこそ、私達が管理するのだ。より理想的に、より神らしく」


 ミファエルは空中で光を放つ。


「震えろ!傭兵!エミリアの息子!」


 翼から無数の羽を飛ばして来る。

 俺はそれを避けながら攻撃を仕掛けるが、直前で掻き消される。


「くそっ!」


 どうする?俺の攻撃がほとんど通じない。もっと、強く。もっと、集中して!


「死ね!『フォトン・ブラスト』!」


 ミファエルは巨大な光を放つ。


「『一点集中・螺旋風神』!」


 俺はその光の中に突撃した。


「バカめ!自ら死を選ぶとは!傭兵!」


 ミファエルは俺との戦いに勝利を確信し、完全に油断していた。


「ああああああああああああああああああ!」


 体全体に超高密度の風の鎧を纏い、指先に集中させて体を回転させる。そうすることによって一点から空間が発生し、光の中を突き進んでいた。


「はっはっはっはっはっはっ!は?」


 光の中から飛び出し、ミファエルの正面に躍り出る。


「なっ!何だと!」

「悪いな『超・正拳突き』!」


 ミファエルの腹に渾身の一撃食らわす。

 

「がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」


 ミファエルは幾つもある壁を破壊しながらブッ飛ばされた。

 

「・・・・言え、お前らの目的は何だ?」


 かすかに息をしているミファエルを問いただした。

 瓦礫の中でミファエルは言った。


「ふっ、これがお前の力・・か。エミリアの息子なら、当然なのかもしれん・・・」

「だから、お前らの目的は一体何だ!」

「お前は、天界相手に戦争でも仕掛ける気なのか?」

「戦争ね・・・慣れた言葉だ」

「・・・なるほど。あのネスがやられるはずだ・・・いいだろう。教えてやるさ。我が主、ユグドラシル様の栄光なる計画。『牧場計画』は既に始まっている」

「『牧場計画』?」

「そうだ・・・我が主を崇める人間のみを世界に一つだけ作られた土地を移動し、それ以外の全人類の抹殺・・・」

「なっ!何故、そんなことを・・・」

「それは・・私にも解らん。主の考えていることは理解出来ん。だが、信じる私は決めた」

「なら、こんなことをどうして俺に教える?」


 ミファエルは少しだけ黙ってから言った。


「何故かな?エミリアの息子だと・・・ついつい気を許してしまう」

「エミリア・・・母さんと一体・・・」

「もう、随分と昔になる。エミリアは私の上司だった。他の天使とは違い、親身に優しくしてくれた。だが、エミリアはこの計画を知り、ユグドラシル様へ逆らった。当時、私は疑問に思った。何故?と。ユグドラシル様はエミリアを拘束し、牢へ入れた。天使長だったエミリアの力は凄まじく、牢を破壊し、地上へと堕天していったのだ」

「母さんが・・・」

「それが、私の知ることだ。エミリアは死んだ。もう、天界へ反抗する勢力は無いかと思っていたが、まだお前がいた」

「一体、どういう?」

 

 ミファエルは最後の力を振り絞って言った。


「お前は、人類にとって最後の希望なんだよ。傭兵・・・・」


 そう言って息を引き取った。

 天使の死も、呆気ないな・・・だが、情報は手に入った。

 

 ホールに戻るとアリサが大量のゾンビの中で立っていた。


「アリサ!」

「ユウさん!」

 

 アリサは俺に思いっ切り抱き着いて来た。


「ちょっ、アリサ!」

「いいじゃないですか!」

 

 む、胸が・・・。

 

「へぇぇぇぇ、ふぅぅぅぅぅぅん。そうなんだぁぁぁぁぁぁぁ」


 と、何だか懐かしい声が後ろから聞こえた。


「や、やぁ・・・エミナ。久しぶり・・・」

「エ、エミナさん・・・」


 俺とアリサはぎこちなくエミナに挨拶する。 

 

「し、心配したのに・・・・・」

 

 エミナが顔を伏せる。


「エ、エミナ?」

「ユウ君の!バカァァァァァァ!」


 エミナの渾身の右平手が俺の頬に炸裂した。

 い、いやこれは、違うんだよ。


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