表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ブレイク!  作者: ぞえ
52/77

第五十一章 そして、伝説へ

 目を覚ましたそこには、真っ白な世界が続いていた。

 俺のその世界の真ん中に立っていた。


「・・・ここは・・・」


 いくら目を細めても、その先はただ白の世界が続いていた。

 そして、声がした。


「ユウ・・・」


 俺の名を呼ぶ。透き通った美しい声である。


「・・・誰・・・?」


 目の前には白のローブに身を包んだ女性が立っていた。顔は髪の毛で隠れて見えなかったが、俺に向かって微笑んでいる。


「あなたはこんな所で立ち止まっている訳にはいきません。さぁ、行くのです」

「待て!訳解らんぞ!」


 女性の体は徐々にだが消え始めた。

 そして、言った。


「もし、あなたに救いたい者がいるのなら、あなたはこの力を制御しなければなりません」


 それだけ言い残し、女性は消えていった。


「力・・・?」


 


「これで・・・世界は僕のものだ・・・」

「・・・・・・」

「なぁに、心配することはない。ユウ君も、無事に向こうの世界へ送り返してやる」

「・・・当たり前・・・」

 

 ネスは少しだけ笑うと、言った。


「撃て」


 その時だった。砲身が大爆発を起こした。同時に固定部分が破損し、レールガン本体は地上へと落下していったのだ。

 あまりにも一瞬の出来事に、その場にいる者は状況が理解出来なかった。

 一体、何が起こったのか。


「な、何が!」

「あのレールガンを・・・そんなことっ!」


 エミナが後ろを振り向いた。

 少し感じていた予想が自分の胸に刻み込まれる。

 

「だよね・・・」


 その視線の先には、上からつまみ上げているような状態でいるユウがいた。上半身をぐってりとしているが、今のレールガンの暴発はユウが作り出したものだった。


「くっ!何処まで僕の邪魔をするんだ!」

 

 ネスが銃を向けてユウに撃った。が、銃弾は何かによって遮られた。


「くそっ!」


 そして、ユウが上半身を起こした。

 その瞳に光はなかった。

 眩しい光が放たれる。

 彼の背には光り輝く、光の翼が展開していた。

 

「天使・・・」

 

 エミナが呟く。

 神々しく、美しかった。


「オレ・・・ハ・・・・オレハッ!」


 ユウの放った光の光線が塔を破壊し始める。床は粉砕し、壁は崩れ始める。


「ユウ?ユウなの?」


 意識が回復したシュリアが姿を現す。

 そして、塔全体が本格的な崩落を開始した。バラスの地上部隊は撤退を余儀なくされている。

 

「ユウは、大丈夫だから、あなたは速く逃げた方がいいわ」

「でも・・・」

「速く!」


 エミナはシュリアにそう言った。

 シュリアは現状を理解したのか、直ぐに塔から脱出した。

 兵士や研究員も逃げ惑う中、ネスだけは違った。


「バカな!人間が天使の力など!ありえない!天使の力は人間が使っていいようなもんじゃない!それも、ただの傭兵が!許されないのだ!」


 ネスは怒りと憎しみをぶつけるように銃を乱射する。が、ユウの光が胸に貫く。


「がっ!」


 その場に倒れ、その命を絶命させた。


「オレハ!マモル!」


 それは、ユウの一つの意志と隠された力が彼を暴走させている光景だった。

 塔の損傷は全ての階に広がり始めた。

 そして、


「塔が・・・」

 

 皆が息を飲んだ。

 塔は音を立てて全て瓦礫に変わり果ててしまった。見る影もなく、ただの瓦礫の山がそこに存在していた。

 その瓦礫の中の中心に二人の男女が抱き合っていた。


「ごめんね・・・」

「・・・・・」

「私が・・・私がもっとしっかりしないとダメだったのに・・・」

「・・・・・」

「いつの間にか逃げてた。君の実力は私がよく知ってるのに・・・ユウ君を信じようとしなかった」

「・・・・・」


 彼女の温もりは徐々に彼を覆い、いつしか彼の目からも一筋の涙が溢れていた。そして、天から光の柱が二人を覆う。

 シュリアは悟った。

 帰るのだと。


「ユウ、ありがとう。とても、とても楽しい日々だった。あなたと過ごしたこの旅は絶対に忘れない。またね、後のことは任して」

 

 シュリアは光の先に消える二人を見ながら、自国へと帰還した。

 

 二年後、フィディアスとバラスは同盟を結び、大陸一の巨大国家へと成し得た。その後、伝説の傭兵がいたと、彼女の日記に記され、未来永劫幾人にも語り継がれていった。


次は主人公の覚醒についてですねww

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ