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ブレイク!  作者: ぞえ
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第四十四章 再開


「シュリア!走れ!」

「走ってるわよ!!」

 

 木々を抜けて長い荒野に出る。次の瞬間木々を粉砕して、巨大なサソリが姿を現した。体は銀色に光り、かなり硬い。

 普通の剣ではまず通らないだろう。


 サソリは尻尾の針で連続攻撃を仕掛けて来た。

 そこにはシュリアがいた為、


「退け!」

「きゃっ!」


 シュリアは押し飛ばして、


「『銀の盾』!」


 左腕に小型防御魔法の『銀の盾』を発動する。

 小型防御魔法は別名、武装魔法。特定の部位に対して武装を施す魔法である。ので、その部位に対して一定時間存在しつつけるのだ。


 針を盾が弾き、蹴りでハサミを吹き飛ばす。同時にサソリは後ろに大きく後退した。


「大丈夫か?」

「うう・・・大丈夫な訳ないじゃない!!ちょっとは力加減考えたら!!」

「わ、悪い・・・」


 た、助けたんだけどな・・・。


「それよりも!前!!」

「解ってるよ!!」


 サソリは体を起こしてこちらに向かって来た。


「あっ、剣折れたんだった・・・」


 サソリの攻撃を器用に避けて、宙に躍り出る。おそらくこのまま真正面から攻撃を仕掛けても通用しないだろう。


「ちっ!」


 サソリの下にスライディングで入り込み、強固ではない腹を狙う。


「『爆炎と連鎖・連射』!」

 

 サソリの下から爆発が連続で起こる。それは重なり、更なる威力を増していく。爆風で上に上がり、次の爆発で更に上に上がる。

 そうして、サソリは上に持ち上げられた。


「フィニッシュだ」


 最後に大爆発が起こり、サソリは肉片へと変わった。

 すると、後ろで何やらシュリアが喋り始めた。


「えっ、解ったわ。私達も直ぐに向かうわ。え?部隊?大丈夫、こちらには百人力の男がいるから」

「ん?」


 俺が不思議そうに見ていると、


「ああ、使い魔よ。連絡用の。こうやって、この使い魔を端末にして連絡を取り合っているの」

 

見ると、直ぐ横に小さコウモリのような小動物が宙に浮かんでいた。


「それで?内容は?」

「うん、ちょっと厄介な事になって・・・取り合えず増援として行くことになったの」

「何処に?」

「最前線?」



 


 同時刻 フィディアス最終防衛ライン 城壁都市デリア


「しかし!我々だけバラスと戦えと言うのですか!!」

「ええい!黙れ!私はこれから部隊再編成という任務をしなければならない!そこを退け!」


 デリアは防御に徹した都市であった。

 一時間前、バラス侵攻軍第六十四大隊と第六十五大隊はデリアに進行していた。

 バラスの攻撃にデリア駐屯部隊は圧倒され、撤退を余儀なくされていた。

 しかし、ここを落とされれば本国が丸裸にされる為、指揮官シュドロは第四中隊に防衛を命令し、本国へ帰国した。


「・・・おいおい、どうするんだ、マジで。頼りの指揮官は行っちまうし、俺達だけじゃどうしようもねーぞ」


 金髪の男、ラドが言った。

 その隣のメガネの男も言った。名はレンと言った。


「確かに、現状では僕達も逃げた方がよさそうですね・・・しかし、既に敵は城内に侵入しています。ここは、一時的にも敵を押し留めた方が得策かと」

「ええ、そうよね」


 赤髪の女、ロザリも頷いた。


「そうだな・・・だが、一時的にだ。仮にも俺達はこの前ここに配属になったんだ。訓練兵の方がまだここの地理に詳しい」

「ああ、それでやろう」

「それじゃあ、各自防衛に徹して。まず、一番攻撃が激しい正門、それと狙撃者を狙う高台に・・・」

 

 三人が指示を出すと、集まっていた仲間達は散り散りになった。

 

「皆!一つだけ!」


 ロザリの声に全員が足を止めた。

 ロザリは震えた声で言った。


「死なないで・・・」


 


 戦闘は激戦であった。

 銃弾と魔法が飛び交い、周囲から絶え間なく叫び声が聞こえる。

 正門は特にそうだった。


「ロザリ!やれ!」

「うん!皆!行くよ!」

「「「おお!!」」」


 正門には敵部隊が密集していた。それを狙って、ロザリ率いる少数部隊が召喚魔法を発動させた。

 空中に出現した魔法陣から巨大なゴーレムが出現した。


「いっけえええええええええええええ!!」


 ゴーレムは両手を合わせて敵部隊に向かって振り下ろした。下では戦車が潰され、原型を留めていなかった。

 ゴーレムの登場により、戦局は一気に傾くかと思われた。が、

 一発の矢がゴーレムの眉間に刺さり、大爆発を起こした。

 爆発と同時にゴーレムは瓦礫に戻り、その場にいるロザリ達は立ち止った。


「え・・・・・」


 すると、一人の女が前に出て来た。


「ふん、やはりこの程度か・・・悪いな。君達は無能なまま死ぬんだ」


 女の左手には弓があり、狙いを定めた。

 放たれた矢はロザリの隣の男の頭を貫いた。


「あ・・・・・・」


 男は何も言わずにその場に倒れた。

 

「あ、あああああああああ!!」

「逃げろ!!」

「あんなのに勝てるか!!」

「ちくしょう!!!」


 兵士は逃げまどい、それを後ろから女が狙う。


「おいおい、逃げるんじゃない。狙いにくいだろ」


 逃げまどう兵士を後ろから次々と射殺す。


「い、いやっ!!」


 ロザリは困惑していた。

 何故なら、あのゴーレムこそが彼女達の切り札であったからだ。それが破壊され、彼女達は何も出来なかった。

 ただ、ひたすらにこの場から逃げたかった。


「レン!ロザリを抱えて逃げろ!!」

「お前は!」


 その問いにラドは何も言わなかった。


「ちょっと!二人とも、一体・・・一体何を!」

「なあ、ロザリ。もしも俺が生きていたら・・・その時は・・・」


 ラドはその言葉を最後まで言えなかった。

 それは、


「何言ってんの?」


 隣にロザリが立っていた。

 呆れたようにレンも隣にいた。


「私達は、三人でしょ?」


 それに対して、


「まったく」

「そうだな・・・」

「でしょ?」


 三人に対して女が歩いて来た。

 綺麗な銀の髪に、引き締まった体。女を現すなら「凛」それが一番最適だった。


「なるほど、それが貴様らの覚悟か。私も、一人の兵士としてお前達の相手をしよう」


 女が声の届く範囲まで歩いて来て、弓矢を構えた。

 それに対して三人は特大の防御魔法を発動した。

 いくら三人でも女の攻撃を受け止めることは不可能であった。


「では、さらばだ。フィディアスの兵士・・・」


 女は弓を放ちながらこう言った。


「『千本桜』」


 同時にこんな声も聞こえた。


「『破邪と輪廻の弓』」


 千本のもの矢を後ろから一万本の矢が迎え撃った。

 

「ちっ!」

 

 女は残り九千本の矢の回避だけを専念した。


「何とか、間に合いあったね・・・」

「これが、間に合ったと言えるならな・・・」


 三人の後ろから現れたのはフィディアスの姫、シュリアと、黒いコートを着た奇妙な男だった。

 男は女を見て言った。


「久しぶりになるのかな?・・・エミナ」


ユウとエミナの再開でーすww

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