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ブレイク!  作者: ぞえ
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第四十一章 遠い異国の地に

 まず口を開いたのは赤い兵士だった。


「何だ!貴様!さては、フィディアスの兵士だな!」


 兵士達は、俺と女性を囲むように陣取った。


「っ!」


 女性は何とか立ち上がるが、足から血を流してる。


「おい、あんた大丈夫か?」

「痛・・・ダメみたい・・・あなたを巻き込んですまなかった」

「おいおい、何故に謝罪の言葉?別に俺は大丈夫だし、まだ迷惑になるような事されてないぜ?」

「あなた、これが一体どういう状況なのか解らないの?」

「ああ、解らない」


 最初に言ったじゃん!


「・・・・・・」


 すると女性は俺を意味深な表情で見て来た。

 一度ため息をすると、


「はあ、こいつらは敵。私は追われてたの」

「そりゃ説明ご苦労。解りやすかったぜ、それで俺はこいつらを倒せばいいのか?」

「あなた本気?この人数を相手にするの?」


 俺と女性の周りにはざっと二十人が武器を構えていた。おまけに上の方では船が飛んでいる。


「別に・・・」


 この人数なら・・・。


「相手にするけど?」

「はあ?」


 女性が間抜けな表情をした瞬間、俺は目の前の相手に向かって走り出していた。


「死ねえ!」


 兵士は持っていた銃剣で斬りつけて来た。

 まあ、そんな攻撃が俺に食らうはずもなく。


 五分後。


「・・・あなた、何者?」

「何と説明したらいいのか、解らん。だが、ただ一つ言える事は、俺がこの世界の住人ではない事だ」

「どういう事?」


 あの光はまったく異なった世界へ転移するものだったのだろう。その証拠にこんな場所は初めてだ。

 浮遊島は珍しくないが、ここまで密集してこんなにも沢山ある場所など知らないはずがない。

 更に、この女性が着ている装備も何処かの国の物なのだろう。

 だいたいの国を知っている俺にとっては初めて見る服装だ。となると、まったく違う世界に来たのか。

 もしくは、俺の知らない世界の何処か。なのだろうか。

 

「まあ、俺はとにかく元の世界に戻らないとな・・・エミナも心配だし・・・」


 すると、女性は俺に言った。


「あなた、職は何?」

「ああ。傭兵をやっている」

「なるほど、それであの強さね。納得は出来ないけど、私を国まで護衛してもらえないかしら?」

「え~・・・俺は速く帰る手段を見つけないとな」

「知ってる?私の国にもあなたのような、異世界から来た人の歴史的資料があるの。まあ、ほとんどはでっちあげとか、言われてるけどね」

「ほ、本当か!」

「ええ、それにお金は出すわ。私を国まで送って、お金を貰う。更に帰る手段の参考になりそうな情報まで。どう?悪い話じゃないと思うけど?」

「・・・・・解った。それで」


 黒髪の女性は重そうな装備をある程度外し、歩きやすい軽装備なった。


「それじゃ、行きましょう。ここは敵の陣地内だわ。速くしないと、追って来る」

「解った。取り合えず、安全圏に行くまで俺が連れて行く」

「?」


 不思議そうな顔をする女性を無視して、お姫様抱っこをする。


「きゃっ!ちょっと!何するの!」

「ちょっ!動くなよ『風速二〇〇』!」


 風のように舞いながら、森を駆け走る。

 森を抜けて、川を越え、浮遊島がぼんやり見える、崖の上まで走った。


「はあ・・・はあ・・・はあ・・・流石にここまでくればいいだろう」

「・・・・あなた、本当に何者なの?」

「今は傭兵。としか言いようがないな。んで、進行方向はどっちなんだ?」

「ええ、このまま北に行けば、フィディアス王国という国があるわ。そこまでお願い」

「ああ。そこには歩いてどの程度何だ?」

「実際、歩いてなんて行った事がないから解らないわ。けど、一週間そこらだと思うわ」

「なるほど。食料は現地到達でいっかな」


 若干嫌な目をされたが、これも仕方のない事だ。そのくらい解っているだろう。


「けど、あなたホントに傭兵なの?」

「む、まだ信じぬか」

「だって、剣すら持っていないもの」

「ああ、この前折れてな。二代目を探している途中なんだ」

「ふ~ん、国に着けばいい鍛冶屋は腐るほどいるわ」

「腐っちゃダメだろ」


 俺は言った。


「そう言えば、聞いていなかった」

「何を?」

「名前。俺はユウ・アサマだ」

「まあ、名前くらい。私の名はシュリア・フィデェイア。よろしく」

「ああ、少しの間な」


 と、シュリアが歩こうとすると、


「痛っ!」

「あっ、そう言えば怪我してたな。てか、この傷でよくあんなに喋れるな」

「何言ってんの!私は騎士よ。あの程度の攻撃で死ぬほど弱くはないわ」

 

 シュリアは痛み負けず、懸命に立ち上がろうとするが、その度に激痛がシュリアが襲う。


「取りあえず、近くの村まで行こう。応急処置はしておくか・・・」

 

 俺は傷口にそっと手を触れる。


「何をっ!」

「いいから、黙ってろ。『ヒーリング』」


 血は止まり、これで少しは痛くなくなるだろう。


「あなた、今の・・・」

「魔法だよ。簡単な治癒魔法さ。万全って訳じゃねーが、取り合えず次の村までもつだろう」


 それから小一時間。シュリアを背中に乗せて、広い荒谷を歩いた。

 そして、一つの村を見つけた。


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