第三十九章 シュリ
異界 シュリ
「全てはここから始まるのだ!平和ボケた奴らに血の制裁を下すのだ!我らはレイテ教の守護あり!」
アセン大陸にある超巨大帝国、バラスは隣国であるフィディアス王国に奇襲を開始した。バラスの目的はフィディアスの魔法技術であった。
バラスは機械帝国であり、技術面では大陸一である。それに対してフィディアスは魔法研究が何処よりも進んでおり、どちらも主な戦闘能力がまったく異なっていた。
しかし、バラスにある来訪者が現れた。
彼の研究はバラスの機械面を大幅に向上させた。そして、フィディアス王国の所有する魔力の源。『アリア』によって後一歩であった。
浮遊城 クリフト
白と緑で構成された鋼の城が空を飛んでいた。それを覆うように数十隻の軍艦が飛んでいた。艦砲射撃は城の外側を構成されている城壁を粉砕する。
城の砲台を全て破壊すると、軍艦から兵士が乗り移って来た。
フィディアス王国第二防衛ライン浮遊城を舞台に、巨大帝国バラスとの白兵戦が開始されていた。
「ここが落ちるのも、時間の問題でしょう」
甲板にいる一人の神官が言った。
「僕が求めているのは支配、そして絶望。この世界で力を蓄える為だ。私の研究も後一歩で完成する」
周囲には複数の軍人達の中に、一人だけ服装が違う、白い服で身を包んだメガネの男がいた。
「おっ、クリフトの姫が出て来たぞ」
鎧に身を包んだ一人の少女が中から連れ出されて来た。
「貴様らなどに!」
「ふふ、その威勢もどこまでもつかな?」
メガネの男は少女の顔を触る。
「くっ!」
数秒後、浮遊城クリフトは音を成して崩れていった。
「クリフトが!」
「はっはっはっはっはっはっはっはっ!たまらんね!最高だ!」
「このゲスが!」
「何とでも言うがいい!」
少女の目は憎しみと殺意を宿した瞳だった。
「君もこの城と同じような運命を辿るのさ」
「この!」
男が近づいた瞬間少女は思い切り頭突きを食らわす。
「がっ!」
メガネの男は後方に下がる。その瞬間を狙って少女は船から飛び降りた。
「しまった!追え!」
少女はそのまま湖の真ん中に落ちた。
「探せ!探せ!」
少女は湖から上がり、森を駆ける。直ぐ後ろにはバラス兵が迫っていた。必死に足を動かし、前へ前へと進んだ。
「はあ・・・はあ・・・はあ・・・はあ・・・あっ!」
バラスに銃撃によって、足を撃たれた。その弾みで前に倒れる。
「うっ!」
全身に激痛が走る。
「へへ、大人しくするんだな」
バラス兵が近寄って来た。
が、次の瞬間眩しい閃光と共に誰かがそこに出現した。
その場にいる全員が驚いた。
また、そこに出現した少年も、驚いた表情を隠せないでいた。
「えっと・・・どういう状況?」
えー、新章突入的な感じで!




