第十九章 教師
ギース魔法学校は約千人の生徒が通っている。
その中でも最近は物騒と言う事で実戦向きの魔法を肌で感じようと言う事で俺達を呼んだ訳だ。
「え~、今日から特別講師として来ましたユウ・アサマです」
「その助手のエミナ・エスカートです」
職員らの挨拶を済ませ、早速授業開始らしい。
俺とエミナは案内された担当の教室に入る。
俺達の担当は最終学年である五年生である。五年生は歳が十八歳と、年上に勉強を教える事になる。
一応俺の歳は不明にしておいた為、舐められる事はないだろう・・・多分。
「え~、今日から皆さんに実践的な魔法を教えられるユウ・アサマ先生です」
俺は紹介を受け、前に出る。
「先生に紹介を受けたユウ・アサマです。よろしくお願いします」
ペコリと挨拶をして、早速授業に入った。
取り合えず全員をアリーナに集合させた。
「・・・何をしよう・・・」
そもそも教師なんてやったことないので、どう授業を始めていいのか解らない。
取り合えず、実践的な魔法、
「取り合えず、基本的な攻撃魔法をやろう。お互い向き合って、知っている軽い魔法を打ち合って」
指示を出すと生徒達はお互い軽い魔法を打ち合った。
火炎魔法、衝撃魔法等を打っていた。
うん、俺にしたら全然弱い・・・かな?
「あれ?全然出ない・・・」
端っこで打ち合っている女子生徒の一人が魔法が出せずにいた。
「・・・ほら、助けに行かなくていいの?」
「エミナ、茶化すな・・・まあ、助言だけはするか」
「手を出しちゃダメだよ」
「解ってるよ」
俺は二人の女子生徒に近づいていった。
「杖は弧を描くように操り、体内の魔力を杖を伝って放つ・・・こうやって」
俺は簡単な火の弾を上空に放った。
すると、
「おいおい、先生。あんたホントに先生なの?俺、正直あんたの授業受けたくないんだわ」
「そうそう」
「あーだり」
と、不良生徒が三人程生徒の波を掻き分けて俺の前に出て来た。
真ん中のリーダーらしき男は赤髪の如何にも悪そうな感じであった。
「・・・一応、俺教師だしな」
「えっ!ちょっと、ユウ君!」
「よーし、お前ら。今すぐ戻れ」
「はっ、調子に乗るなよ」
すると、教えていた女子生徒が言った。
「あの人達、いつも新任の先生にあーするんです」
「なるほど」
俺は不良生徒の前に出て言った。
「じゃあ、俺と試合しよう。そっちは三人で構わない。もし、俺が勝ったらちゃんと授業に出てもらう」
「俺達が勝ったら?」
「好きにすればいいさ」
「えっ!ユウ君そんなのでいいの!」
「大丈夫、大丈夫。それに、俺の強さはエミナが一番よく知ってるだろう?」
「う、うん・・・だよね~」
エミナは思い出したように微妙な顔をした。
生徒達はアリーナの端に寄せ、真ん中に俺と不良生徒が対峙した。
あ・・・。
「はい、それでは授業を始めます。皆さん、注目して下さい。今から戦闘しながら色々と説明して行くんで」
「ふざけんなよ!」
不良生徒は一斉に火の弾を放った。
「魔法とは精神によって左右されます。常に冷静を装い、力を一点に集中しないと発揮出来るものも発揮出来ない。このように」
俺は三発の火の弾を手で弾いた。
周囲から「おー」と歓声が上がる。
「くっ!」
「あれ行くぞ!」
「おお!」
三人は杖に魔力を宿し、魔力の剣を作り出した。
「なるほど。剣の完成度は八〇パーセントと言った所かな」
不良だけに中々魔法の使い方は上手かった。
だが、
「はあっ!」
三人は三方から攻撃を仕掛けて来た。
魔力の剣の使い方は確かに上手いが、剣の腕で言えばまったくだ。
俺は腰の剣を抜いて三人の剣を全て弾いた。
「簡単な魔法でも、相手を戦闘不能にする事は可能である。麻痺魔法『麻痺針』」
三本の針を飛ばして三人を麻痺らせる。
「なっ!」
「げっ!」
「ちっ!」
「このように、ただ簡単な魔法も相手の隙を突ければ戦闘不能など容易な事である」
三人は地面に倒れて指一本も動かす事は出来なかった。
「以上、授業を終了する」
こうして俺の晴れある第一回目の授業は幕を閉じた。




