第十八章 金が無い!
オリビアから少しだけ離れた所に丘がある。そこに一本の木が生えている。その下に俺はそっと花を置いた。
そこには小さな墓石があった。
「お前を二度死なせる事になるなんてな・・・」
俺はポツリと呟いた。
すると後ろからエミナが声を掛けて来た。
「ユウ君は強いね・・・」
「・・・強くないよ。これはただの戦闘技術だ」
「そうじゃないよ。こう、心が・・・私だって人を殺した事があるよ。けど、ユウ君は見慣れているというか、それが当たり前のように見えるの・・・」
「・・・・それは・・・・」
俺は目を伏せた。
「俺だって、慣れてる訳じゃねーよ。確かに何万回と人の死は見てきた。けど、死には慣れないよ・・・」
「ユウ君・・・」
「さっ、行こうぜ。金がないんだ。仕事探しに行かなくちゃ」
俺は仕事を受けるべく、丘を降りた。
途中振り返ると、エミナが優しそうな表情で手を振ってくれた。
一ヶ月も経つと、あの事件は何事もなかったかのように街の皆は活気を戻し始めた。
そして、俺はとある残念な事実を知る事になった。
「か、金が・・・ない・・・」
そう、資金が底を尽きたのである。
家の修理費とか街の復興金を使っていればホント直ぐに無くなったのである。
「どうする?・・・取り合えず大量に金が入る依頼を・・・」
俺はボードを見た。
「・・・あっ、これ何かいいんじゃない?」
エミナが一枚の依頼書を見せた。
「ん?これは・・・」
報酬金二千万アルの依頼である。内容はここから東に位置するギーナ王国の魔法学校の特別臨時講師の仕事であった。
「・・・確かに、魔法教えるだけで二千万とは、いいな。期限は向こうに行ってからか。まあ、臨時だからそんなに長くもないだろう」
「うんうん。じゃっ、じゃあ、私も行ってもいい?」
エミナが顔を近づけて言って来た。
「ホントにエミナさんで大丈夫なんですか?」
横からフィアがやって来た。
「やれるよ!」
「魔法を教えるんですよ?魔法使えるんですか?」
エミナは一瞬黙った後、
「・・・だ、大丈夫!ユウ君の助手だから!」
「・・・おいおい」
フィアは微妙な顔で納得したようで、俺とエミナはギーナに向かって出発した。
「何だかデートみたいだね」
途中、馬に乗っている所でエミナが言った。
「・・・こんなデートがあってたまるかよ」
俺はそう返した。
主人公
教師編です!




