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次の日の朝、食事処のおばさんのところに財布を持っていくと、ちゃんとエルフたちからもらったよ、って言われて、少し安心した。
ちなみに69ガルドだったって。
宿に戻ってくると、みんな村を出る格好をしていた。
ちょっとまって、置いてくの?
「エクシル、君にはここに残ってもらうよ。」
置いてかれる!
「このまま私たちはデポプの村に向かいます。エクシル君を村に連れていくわけにはいきません。ここに残って私たちの帰りを待っていていただきます。」
そういうことか、びっくりした、けど寂しいよ。
「ちょっとの間だからよ。修行して待っとけって。」
「私はエクシルと残りたい。」
「おいおい、セシリア、とーちゃんかーちゃんに会いに行くんだろ?」
「うーでもー。」
「村に行ってやることを、エクシル君にも伝えておきますね。まず、指南役が私からパレント氏に変更となること、エクシル君の妹を連れてくること、この二つはイースでもお話ししました。その次ですが、エクシル君のご両親をこの村に連れてくることは可能かどうか、です。」
え?僕の?父さん?
あ、えっとその前に。
「パドレさん、僕の母さんは妹を産んで死んだから、残っているのは父さんだけ。」
「これは、失礼しました。ではなおさら、お父様をここに連れてくるべきだと、私は思います。」
なんで?
「なぜ、という顔をしていますね。まずエクシル君のお父様ですが、妹さんを連れてくるとひとりになってしまいます。家族全員が自分の元から去ってしまうことはとてもつらいことです。それに、デポプの村では追放した子の父親という立場ですから、精神に支障をきたしたのはなにもすべて妹さんのせいというわけではないでしょう。そして、この話を村でするということは、エクシル君が生きている、と伝えるようなものです。追放した側からしたら面白くないでしょうね。私はお父様を救いに行くと同義であると考えています。」
そうか、ここは僕を認めてくれてる。
ここなら父さんも。
「うまくいくかどうかはわかりませんが、妹さんと一緒に暮らせる場所があるのならお父様は納得いただけると思います。」
パドレさん、結構自信ある感じだ。
「うん。お願い、します。」
「エクシル、このセイヒョウを村に置いてくからな、危なくなったら頼れよ。」
「わかった。パーティは?」
「作り直すと前のパーティは解散となる、ユニオンにプレートを見せたり一定時間パーティが離れたり行動をプレートが感知しなければ解散となる。昨日組んだパーティはもう解散されているから気にしなくていいよエクシル。解散よりも組まれているかどうかを気にした方がいい。」
そうなんだ。
僕はみんなを見送った。
みんなの後ろ姿が見えなくなるまで、立って見てた。
-
俺たちは今デポプに向かっている。
エクシルのとーちゃんを助けるって、パドレさんは言ってたけど、どうなるかは全く分からない。
俺のとーちゃんかーちゃんはどうするんだろう。
俺は、できればエクシルを追放した村なんかじゃなく、ゼコンに来て欲しいと思ってる。
エクシルが無属性で追放されて、2人とも結構悩んでたもんな。
エクシルを追放してから村は全然違う感じになっちまった。
息が詰まる。
俺らは期待の星だってチヤホヤされてたけど、なんか違った。
エクシルを見つけて、また一緒の仲間になって、やっぱり俺にはこの3人が1番だって思った。
今の方が断然面白い。
そこにとーちゃんかーちゃんがいたら最高だ。
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私のお父様お母様は、どうするのだろう。
エクシルの妹を家族同然に育ててる。
できたら、一緒にいて欲しい。
村を出なきゃいけないけど、私もその方が安心する。
デポプの村には、もう帰りたくない。
だって、エクシルがいないもの。
エクシルを追放した村にはいられない。
頼み込んだら、ついてきてくれるかな?
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それぞれの想いを胸に、一行はデポプの村に着いた。
それはゼコンの村を出てから4日後のことだった。
「すみませんが、本日村長はおられますか?お会いしたいのですが。」
村の警備にあたっている者にプレートを見せつつ、パドレは確認した。
ああいるよ、とつれない返事が返ってきたのも束の間、ロビンとセシリアの帰還に気がつき、他の者のプレートを確認することなく、村へと招き入れた。
まるで村を救った英雄の帰還である。
村長が自宅から飛び出してきては、2人の子どもに礼と祝いの言葉をかける。
その言葉を聞いた子どもたちは、神妙な面持ちのまま、挨拶もほどほどに両親の元へと向かった。
村長は自宅にパドレらを招き入れる。
パドレは2人が銅色になったことを告げ、そして本題に入った。
「2人はとても優秀です。私としてもまだ2人を見ていたいのですが、ユニオンから招集がかかりましたので、指南役をこのパレントに引き継ぐこととなりました。」
「初めまして、パレントと申します。ミスリルの冒険者です。これから2人を指南いたします。早速で悪いのですが、小さな子どもを、2人の両親が預かっていると耳にしました。子どもの父親のことも。ここで一つ相談なのですが、その小さな子どもを私たちが預かるというのはいかがでしょう。」
「確かにおりますし、父親も相当参ってはおります、が、それは、どういう。・・・まさか。」
喜びの顔から訝しがる顔に変わり、最後は青ざめた顔を、村長は浮かべた。
「あの子は生きているのですか?」
「・・・妹さんは毎日、兄を探していると伺っています。どうでしょうか。村も平穏になるのではないでしょうか?」
「す、少しお待ちください。」
ひとつ、深呼吸をし、村長の顔色に血色が戻る。
「是非、お願いしたいのですが、もう一つ、お願いしたいことがあります。」
「なんでしょう。」
「今この村は二分されています。無属性の家族とそれを庇うものを追放、あわよくば殺害しようとする者たちと、されようとしている者たちに。表ではこの村の英雄である子どもたちを歓迎してはおりますが、裏では陰湿なことを働いています。最初の標的は知っての通り、彼の父親です。これを指示しているのは他でもない、この村付きの鑑定人です。私は両親を庇いましたため、私も追放する動きが起こっています。こちらからお願いです。どうか私たちを助けてください。」
パレントの予想を越えた答えが村長の口から飛び出した。
この村はどこまで愚かなのだろう、パレントたちは思わずにはいられなかった。
パドレとパレントは予想し用意していた言葉を一旦捨て、どのようにして救えるのかを検討する。
「私たちは、ゼコンの村で、お父様と妹さんに落ち着いてもらおうと考えていましたが。追っ手を出して殺しに来る、ということはありそうですか?」
「わかりません。何を考えているのか。」
「そうですか。まずは2人のご両親にお会いしなければ。」
「安否確認、ですね。」
自分の言葉に嘘偽りはない、と突き動かされるように村長は立ち上がり、パドレの顔を、目を見つめた。
「あたしは妹さんを見つけたら保護するわ。」
「そうだね、それが良い。ほんと、遅れてたらと思うと背筋が凍るね。」
「にしては楽しそうよ。こんなが師匠じゃ弟子も大変ね。似てくるかもしれないからやめてよね。」
「はいはい、まずはロビンの家から挨拶に行こうかな。」
村長に次いで、全員立ち上がった。
ロビン
種族:人間
武器:弓、ナイフ
属性:光黄
才能:射撃
絶技:サジタリウス
従属:セイヒョウ(不在)
魔法
・スピードアップ ・テレパシー ・マーキング
セシリア
種族:人間
武器:杖
属性:光青
才能:叡智
絶技:白い風?
魔法
・リカバー ・アクアアーマー ・アイシクル ・ウォータースラッシュ
リタ
種族:人間
武器:杖
属性:?
才能:?
絶技:?
魔法
・リカバー ・ハイ=リカバー ・生命力残し
パレント
種族:エルフ
武器:剣 (ナイフ)
属性:色黒
才能:?
絶技:?
魔法
魔法全般で攻撃魔法が得意 ・リカバー
パドレ
種族:エルフ
武器:己の体
属性:光赤
才能:?
絶技:?
魔法
身体強化全般で効果が絶大




