積み込みの日
今回から主人公の気持ちを括弧で括って書いてみましたがどうでしょうか?wwwwww
「あぁぁぁいらつくなぁぁぁぁ!」
俺は朝から不機嫌である。理由は隣りがうるさくて寝れなかったのだ。
「イライラが溜まった時はモーニングコーヒーが一番ですよっと」
俺はインスタントのコーヒーを作る。ボロボロの家だが、水道もある。なんて優良物件…デジャヴか、すまない。
「美味だな…。」
一杯10数円のコーヒーを味わった後、制服に着替え俺は学校へ向かう。
大した事も起こらず、授業は終わり、俺は今日も山さんの所へ稼ぎにいこうと、鞄に荷物をつめ、廊下に出ようとすると向かい側から入ってきた人にぶつかり、俺は尻餅をつき、鞄の中身は散乱した。
「わるかったな。」
俺はそう言い、中身を拾い集める。
「いや…こっちこそ悪かった。手伝……!?おまえ!俊か!?」
「勝也か…」
俊は嬉しいのか驚いてるのかわからない表情をしていた。
「おまえこの高校だったのかよ!?半年前ぱったり連絡が取れなくなって、一体どうしてるのかって心配だったんぞ!連絡くらいしろよ!」
「あぁ…すまない…」
「お袋さんが亡くなってどこで暮らしてるんだ!?生活費とか大丈夫なのか!?」
うっとうしい…
「なんとかやってる。なぁ、俺に構わないでくれないか?」
「なんでだよ!?俊!あの事引きずってんのか!?あんなの誰も気にしてねぇぞ!」
勝也は声を荒げ怒った。
「…またな。」
俺はそう言って学校を出た。
「まてよ!」と勝也の呼ぶ声が聞こえるが、待て、と呼ばれて待ったらこの世の中どれだけ平和な事なのだろう、と思いながら俺は家に帰り着替えをして、また『一発』に向かった。
「うぃス」
俺はいつものように山さんに挨拶をする。
「俊坊…またきたのか。生憎だが今日は先客がいてな。ほら、奥のいつもの卓だよ。」
「先客?珍しいな、こんな時間に。」
すると山さんは、カウンターから身を乗り出し、俺の耳元でこう囁く。
「中々のやり手だ。俊坊と、同じ、いやその上かもしれないぞ。」
「は、なるほどね。じゃ、ちょっくら見に行ってくるわ。」
そう言って俺は奥に向かう。こんな時間に雀荘にくるのは俺かヤクザ連中しかいないし、俺より上という山さんの言葉が気になった。
(あそこにいるのは…昨日フルボッコにしたゴルゴ風の男と昨日と違う、いかちい男二人……!?あれは!?)
なんと、そこには、高校生くらいの年齢の可愛い女の子がいたのだ!
「おいおい、やるやるとは聞いてたが、女の子囲むってお前そりゃねぇよ…」
俺はゴルゴに言う。
するとゴルゴは、俯き、そして、笑い出した…。
「くくく、坊主、俺の点棒数えてみろよ。」
俺は言われるがままに、ゴルゴの点棒を数える。
「…まさか!」
俺は周りのいかちい男二人の点棒も数える。
「この女の子に、俺ら鴨られてんのさ。」
ゴルゴは笑いながら牌を切る。すると女の子は明るく言った
「あ、それ、ロンです♪」
ゴルゴは、笑いながら女の子に言う。
「おいおい、待てよ。この《西》はもう三枚切れ……!二枚しか場に出てない…くッ!ミスっちまったぜ!」
その時俺は確信していた。
(この女の子…すり替えたか…)
「次だ次!」ゴルゴは苛立ちながら、牌を混ぜる。
(なんかあるな…)
俺はそう思い、女の子の動きに注目した。その女の子は素人とは到底思えない速さで牌を積んでいく。
(おいおい、まさか元緑じゃないだろうな…)
そして三巡目…
「ラッキーですぅ♪ほら大三元ツモりましたぁ♪」
「なぁ!」ゴルゴは驚いて咥えていた煙草を落とした。
(本当に元緑積みやがった…。でもただのサマ師になら…山さんは俺より上とは言わないだろう。…やってみるか。)
「おじさん、ちょっと代わってくんね?」
俺はいかちい男に頼む。
「別にいいが…。」
その男はチラッとゴルゴを見る。
「構わん、この嬢ちゃんにも坊主にも通し(ローズ)は通用しない。ヒラで打つ。」とゴルゴは牌を混ぜる。
「よろしく。」俺は女の子に一言かける。まぁ社交辞令ってやつだ。
「よろしくね♪クールボーイ♪」女の子はケラケラと笑い牌を混ぜる。
(こんな奴には負けねぇ…)
牌を混ぜる時点でもう既に戦いは始まっている。いかに、積みやすい牌を自分の近くに持ってくるか。俺は3、5、7の数字の牌を固める事で、意図的にトイツ場を作っている。そして気になる女の子の手元を見る。
(東に白に中に發か…爆弾だな。なら…)
俺はわざと牌同士をぶつけ、中と發を対面のゴルゴ側に寄せた。
(これで安心っと。)
「むーなかなかやるですねー」
女の子はジト目でこちらを見てるが俺は気にしない。何が起きてるかわかっていないゴルゴも気にしない。そして四人とも積み終える。
「さて……俺のターーーン!!」ゴルゴは叫ぶ。
(いや、ただサイコロふるだけなんだけどな…。)
「5だと。俺のとこだな」
配牌を終える。まずまずの配牌だ。
(これなら勝てる…)
そして15巡目
「ツモったぁ♪字一色で役満だよ♪」女の子は嬉しそうに言う。
「「「な!」」」俺ら野郎三人はハモって驚く!
(爆弾は消したはず…なのになんで…)
俺は混乱している。
「爪が甘いぞ♪クールボーイ♪」
ムカつく…可愛い声で言われるとなおムカつく…
「ちっ…ありがとうございました。役満負けた分はここに置いときます。」
と言って俺は席を立つ。
「あたしも、そろそろ帰りたいですぅ〜。精算しましょ♪」と女の子は髪の毛をいじりながら言う。
「このまま続けても鴨られるだけだからな…麻雀やめどきかね、これは。ほら、負け分だ。」
と言ってゴルゴは悲しそうに財布から諭吉を出す。
「ありがとうございますぅ♪でわ、またいつか会ったらよろしくです♪ダンディなオジ様にクールボーイ♪場代は払っておきますね♪」と言って女の子も席を立ち山さんに場代を払い店から出て行く。
(ローズして負けるんだから、お前相当才能ないよ…)
と俺は同情しながら山さんの所へ向かう。
「よぉ、あの嬢ちゃんが払ってったってことは俊坊は負けたんだな?」
山さんは笑いながら話し掛けてきた。
「一体あの子は?」俺は山さんに尋ねる。
「いやぁそれがわからんのだ。今日フラッときて、賭場はどこかって聞いてきてな。冗談かと思ったんだが、あの慣れた手つきを見たら、な。」と言ってニヤッと笑う。
「世の中は広いぞ、俊坊。」
「ふん。じゃあ帰るわ。また。」
「気をつけて帰れよ。」
「わかってるよ。」
そう言って俺は《一発》を後にした。




