始まりの日〜物語的な意味でw〜
初期設定と読者の方々にキャラ背景を把握してもらいため、コメディは少なめ、いや皆無でふw
人は一個の有機体である、と学者は言う。つまり、組織体、一緒に作用しある結果をもたらす器官の集合体だと。
すなわち、人は機械と対比することもできる。周囲独立型の時計、周囲適応型の温度計。そのどちらも人は兼ね備えていなければならない。もしどちらかでも欠落しているならば、その人は社会的に不適格と見なされる……
俺はこんな科学的な思索にふけっていた。なぜ、記念すべきあけぼの学園の入学式にこんな事をしているか…
それはあまりにも入学式が長すぎるからであった。
『皆さんの進むべき道は光あふれるものに…』
校長…お願いだからお口をチャックしてくれないか…。埋めるぞ…。
そんな危険思想を抱き俺は突然睡魔に襲われ、気が付くと、式は終わりかけていた。
自分の教室に戻り、俺はまた一人で今日の過ごし方を考える。
また生活費が足りなくなってきたな…山さんとこいかなきゃ…
教室に入ってから、担任の解散の号令まで、俺に話しかけてくる奴は誰もいない。友達はいない、いや作る必要もない、と俺は考えている。
学校が終わると、家に帰り、着替え、俺はまっすぐに町の裏通りに山さんの経営する雀荘『一発』に向かう。
「うぃス」
俺は、煙草をふかしながらテレビを見ている山さんに挨拶した。
「おぉ!俊坊!今日も稼ぎにきたのか?」
「山さん、人聞きの悪い事言わないでくださいっスよ!で、今日はどの卓すか?」
「あぁ、奥の二卓でやってるぞ。俊、ほどほどにな。」
「わかってますよ。」
俺はてけとーに返事をし、奥に向かった。
その卓にはゴルゴ風サングラスの男と、いかちい男二人がいた。
「ここ、いいすか?」
俺はゴルゴ風サングラスの男に尋ねる。
「別に構わんが、ここは…」
「大丈夫、わかってるから。でレートは?」
ゴルゴは顎の辺りをいじりながらしばらく黙っていた。そして
「そうだな…点5でいくか」
「おっけー了解。じゃあやりましょう。」
1時間後…
「坊主、強いな…」
「たまたまです」
「俺ら三人で回してる事に気付いてるんだろ…」
「はい」
「それを読んで俺一人を狙いうちとは、相当場数踏んでるな。どうだ?うちの組の代打ちやってみない…」
「興味ありません」
間髪入れずに言ってやった。度々誘われるんだが、めんどくさそうなので断るようにしているのだ。
「そうか…ほら、負け分だ。」
そう言って、ゴルゴは諭吉を五枚出した。
「どうも、場代は払っときますんで」
俺はそう言い残し、山さんの所へ行く。
「今日も…どうやら勝ったみたいだな?」
「当然、ほら、場代」
「…毎度。なぁ、まだこんな生活続けるつもりか?」
山さんは、真剣な表情で俺に言う。
「高校生にもなったことだし、バイトとかも色々あるだろ?」
俺はこの稼ぎの良い麻雀を捨てるつもりはないし、麻雀をやってる時の気持ちの高ぶりは、俺にとって人生の楽しみなのだ。辞めるわけにはいかない。
「まぁ、考えとくわ…」
「そうか…、気をつけろよ。」
「あぁ、じゃあまた。」そう言って俺は家に向かう。
もちろん貧乏学生である俺が住む家は、おんぼろアパート。風呂トイレ有りで家賃二万ってんだから、時々、アマゾンでしか見られないような虫が現われる事を除けば、これは優良物件である。
「あぁ疲れた疲れたっと」
俺はため息をこぼしながら部屋に入る。
「学校…たりぃな…。まぁでも、しゃあねぇか。おやすみなさいっと」
俺は裸布団にくるまる。
が、隣りからどうも音がする。壁に何かが当たるような音だ。
「隣りは空き家なはずじゃ…まぁいいや、寝よ。」
こうして入学式の日は終わった。




