番外13契約封印
「しょ、初代魔王!!?」
「・・・・・・・・・・・・っ!!?」
テラとマナは愕然とロリータ魔王を凝視する。セフィラは未だに目を回し、チャンドラに首根っこを摑まれ持ち上げられている。
どう見ても、魔王としての威厳が無い。むしろ、その姿は滑稽ささえある。
思わず二人は苦笑する。その瞬間、セフィラがやっと目を覚ました様だ。
「はっ!!」
「・・・あっ、目を覚ました」
「うん・・・目を覚ましたね」
テラとマナがのんきに呟く。大魔王は現在の状況を把握すると、じたばたと暴れ出した。
「こ、これ!!我を放せ!!放さんかっ!!!はーなーせ~っ!!!」
「・・・じたばたもがいてるな」
「うん、もがいてるね・・・」
やはり、二人はのんきだ。そんな二人に、ついにセフィラが切れた。
「うがーっ!!!主等も何をのんきに眺めておるかっ!!!」
大魔王の絶叫は王国中に響き渡った。
・・・・・・・・・
「・・・ふぅっ、酷い目に会ったわ」
「くっ、くくっ・・・・・・」
「ぁあん?何を笑っておる?」
あれから半時間後、ようやく解放されたセフィラはくつくつと笑うチャンドラを睨み付ける。
チャンドラは明後日の方向に視線を逸らす。しかし、肩が震えている。カグヤもだ。
笑いを必死に堪えている月の王に、大魔王は額に青筋を浮かべる。
テラは溜息を吐き、話を本筋に戻す。
「・・・で、僕に一体何の用だ?雑談をしたい訳では無いんだろう?」
「・・・・・・ったく。ああ、そうだ。我は主と契約を結びに呼んだのだ」
「契約・・・?」
テラは首を傾げる。マナも首を傾げる。
セフィラは頷くと、虚空に指を奔らせる。すると、虚空から一枚の羊皮紙が現れた。
セフィラに促され、テラは羊皮紙を読む。それにはこう書かれていた。
<テラ(ミズホ)はセフィラとの契約に従い、その権能の大半を封印します>
「・・・・・・・・・」
テラは怪訝な顔をする。マナは不思議そうに横から覗き込んでいる。
セフィラは真剣な表情でそれを説明する。
「それは、世界そのものとの契約書だ。主の権能は余りにも強力過ぎる。何れ、世界のバランスが崩れるであろう程にな。故に、主の権能の大半を封印したいのだ」
「・・・・・・大半とは、どの程度の封印だ?」
「・・・恐らく、不死性以外は只の人間と変わらなくなるであろう」
「ふむ、そうか」
テラはしばらく考え込む様に、瞳を閉じる。マナが不安そうにテラを見る。
数秒後、目を開いたテラはそれに答えた。
「分かった、その契約に応じよう」
瞬間、契約書に承認の印が浮かび上がり、強烈な閃光と共に虚空に消えた。
「契約は成された。テラよ、感謝する」
そう言って、大魔王セフィラは笑った。




