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最弱の不死者<イモータル>  作者: ネツアッハ=ソフ
決戦、魔王と不死者
49/52

番外11チャンドラ

 王城、中庭———20:00満月の夜。


 空には浩々(こうこう)と満月が輝いている。良い月夜だ。


 テラとマナは準備を済ませ、中庭に出ていた。二人を見送りに、スカーレット王とマリア王妃、騎士長ドラコと数名の近衛騎士が来ていた。準備は万全だ。


 「テラよ、マナの事をよろしく頼んだぞ?」


 「はい、分かりました」


 テラは王の言葉に頷き、隣のマナを見る。マナは王妃と話していた。


 「マナ、あまり無茶はしないで下さいね」


 「はい、お母様」


 どうやらしばしの別れを()しんでいるらしい。王妃の瞳に涙が浮かんでいる。


 テラはしばらく二人きりで話をさせるよう、黙って待っていた。


 ・・・・・・・・・


 それから十分近くが過ぎた。マナがテラに微笑み掛ける。どうやらもう良いらしい。


 「じゃあ、行こうかマナ・・・」


 「はい」


 二人の前の空間に、真っ黒い裂け目が現れる。空間の裂け目。二人が初めて出会った時と同じ物だ。


 テラの胸に懐かしさがこみ上げる。


 「では、二人共気を付けてな」


 「「はいっ」」


 スカーレット王の言葉に、テラとマナは同時に頷いた。


 マナがテラの腕に、自身の腕を(から)ませる。テラは優しく微笑んでそっとマナに寄り添う。


 そうして、二人共に裂け目に入って行った。


 ・・・・・・・・・


 テラとマナの目の前には月面と、其処に広がる都市があった。都市の奥にはインド風の宮殿が。


 インドのチャンドラマハルの様だ。


 「此処が月の王国か・・・・・・」


 「そうだ、此処が全ての魂が還る地、月の王国(おうこく)だ」


 思わず呟いたテラの言葉に返事する者が居た。見ると、其処には色の浅黒い中性的な青年が居た。


 青年の隣には、長い黒髪の十二単を着た少女が居た。二人の背後には二羽のウサギ獣人が控えている。


 ウサギ獣人は鎧に槍で装備している。どうやら二人の護衛(ごえい)らしい。


 「・・・貴方は?」


 「私は月の王、チャンドラ。隣の彼女は私の妹のカグヤだ」


 「よろしく、不死者さん!!」


 青年が月の王、チャンドラで隣の少女がカグヤらしい。カグヤは印象的にお転婆な感じがする。


 それにしても・・・・・・。チャンドラにカグヤねぇ。と、それよりもだ。


 さっきからカグヤがにこにことテラとマナの事を見詰めているのだ。


 じーーーーーーーーーっ・・・・・・


 「・・・・・・・・・・・・・・・あの、何か?」


 「気に入ったわ!!貴方達、後で一緒に遊びましょう!!!」


 「・・・・・・・・・・・・・・・」


 テラは黙り込み、マナは思わず苦笑した。中々元気の良い事で・・・・・・。


 チャンドラは痛そうに額を手で押さえ、溜息を吐いていた。ウサギ獣人は、二人共遠い目をしていた。


 どうやら、月の民はカグヤに振り回されているらしい。思わず、テラはマナと共に苦笑した。

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