番外10月の王国
ある日、テラが目を覚ますと城の中は騒然としていた。何処か、皆慌てている様な雰囲気があった。
・・・一体何なのか?テラは首を傾げる。
其処に、ドラコが通り掛かる。テラはドラコを捕まえ、聞いてみた。
「何かあったのか?」
「あ?まさか、まだ聞いていないのか?」
「・・・・・・・・・・・・何が?」
ますます訳が分からない。
テラは訳が分からず、首を傾げる。其処に、マナが慌ててやって来た。
「テラ!!今すぐ玉座の間へ来て下さい!!!」
「マナ、お前まで一体どうした?」
テラは状況に付いていけず、若干混乱する。そのまま、テラはマナに引っ張られていく。
・・・・・・・・・
玉座の間———
「来たか、テラ・・・」
テラとマナをスカーレット王とマリア王妃が迎える。二人の顔に焦燥が浮かんでいる。
周囲の騎士達の顔も、かなり緊張している様だ。テラは、未だ状況を理解出来ない。
「皆して、一体何なんですか?」
「そうか・・・お前はまだ、知らないか」
そう言って、スカーレット王は三つ折りにされた一枚の紙を渡す。どうやら、それは手紙らしい。
テラは黙ってそれを受け取り、目を通した。差出人の名前はチャンドラと書かれていた。
<月の王、チャンドラより———テラを月の王国へ招待しよう>
手紙には簡潔にそう書かれていた。手紙の端には、月と王冠の刻印が刻まれていた。
「月の王国・・・」
以前、テラはその名を耳にした事があった。花屋の店員だ。あのテンションがハイな花屋だ。
確か、彼女は元々月の王国の巫女だったか・・・。
「月の王国は全ての霊が鎮まる地とされておる。何が起こるか、全く分からん・・・」
そう言い、スカーレット王はテラをじっと見る。どうやら、テラの意思を確認したいらしい。
テラは少し目を閉じ、考える。じっと考え込む。
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
「分かりました。月の王国へ行きます」
テラの言葉に、マナは目を見開く。そして、慌ててテラに詰め寄る。
「っ!?なら、私も行きます!!」
そう、胸に手を当てて言った。その言葉にはテラの方が驚いた。目を愕然と見開き、マナを見詰める。
「マナ、さっきの話は聞いていたか?月の王国では何が起こるか分からないぞ?」
テラはマナの瞳をじっと見る。マナもテラを強い瞳で見返した。どうやら、意思は固いらしい。
・・・テラは溜息を一つ吐く。
テラはスカーレット王に視線を向けた。スカーレット王は苦笑しながら頷いた。
「よい。全てお前に任せる」
「分かりました。・・・じゃあ、行こうかマナ」
そう言って、テラはマナに手を差し伸べる。マナは花が咲きほころぶ様な笑顔で、手を取った。
此処からは番外編、月の王国編になります。




