騎士姫との出会い
どうも、i2です。今回はヒロインとの出会いです。楽しんで見ていって下さい。
「流石の僕もびっくりだ」
白髪の頭を掻きながら、彼はやれやれと苦笑する。突然の怪奇現象に驚きこそすれ、取り乱したりしない所は流石と言えるだろう。
しかし、此処は未知の森の中。何時、何が起こるか分からない以上油断は出来ない。そもそも、日本にこの様な森があっただろうか?
先程から森の中を散策している物の、日本どころか世界のどの森林地帯とも違う雰囲気がある。
そうなると、もはや答えは一つしか無いだろう。
「異世界転移、と言った所かな?」
漫画や小説でよく取り上げられるジャンルである。まさか自分がそれに遭遇するとは思ってもみなかったのだが。
バキッ、バキバキッ―――
「ん?」
背後から木の枝が折れる音がきこえたので、振り返ると―――
其処には後頭部に二本の角が生えた巨大な熊が居た。
「うわおっ」
思わず声が出た。
もう一度言おう。其処には後頭部に二本の角が生えた巨大な熊が居たのである。驚くなと言う方が無理な話だ。
ぎょろり
熊の目が彼の方を向く。同時に膨大な殺気が放たれた。
どうやら獲物と認識されたらしい。
「ほう、やるのか?熊」
へらへらと笑いながら彼は真っ直ぐに熊を見据える。不死者と熊の戦いが今、此処に始まった。
・・・・・・・・・
一時間の後、彼は熊の肉と其処ら辺で採ってきたキノコを火で焼きながら食事をしていた。
その事からも分かる通り彼は熊に勝ったのである。ただし、楽に勝てた訳ではない。何十回も死ぬほどの文字通り死闘の末に勝利したのである。
その証拠に、彼の服は所々破れて見れた物ではなくなっている。
・・・ちなみに、熊の肉と一緒に食べているキノコは所謂毒キノコで、食べたら即死する程の猛毒を持っているのだが、彼は全く気にしない。
そもそも、その程度で死ぬ様な身体ではない。
熊の肉と一緒に美味しくいただいた。
と、その時―――
彼の鼻が微かに血の臭いを嗅ぎ取った。
「こっちかな?」
彼は血の臭いがした方を特定すると、其方へ駆け出していった。いつも通り、へらへらとした笑みを浮かべながら。
ナナシの森―――
此処は地元の人からそう呼ばれている森である。その森の中で、現在騎士姿の少女が同じく騎士姿の青年と共に盗賊らしき男達に囲まれている。
女騎士は薄い桜色の髪に、透ける様な白い肌、澄んだ青い瞳をしている。
男の騎士は黄金色の髪に、程よく引き締まった身体、此方も澄んだ青い瞳をしている。
女騎士の方は怪我をしており、男の騎士はそれを庇って立っている。どう見ても騎士達が不利なのは明らかだろう。
そう、この場にイレギュラーが現れない限り―――
「ぐあっ!?」
突然現れた白髪に朱い瞳の男がその手に持った拳大の石で盗賊の一人を殴り殺してしまった。
「なっ、なんだてめえはっ!?」
盗賊の一人が戸惑いながらも叫ぶが、彼はそれに答える事無くその男も殴り殺した。
彼を殺そうと背後から襲い掛かった盗賊が、男の騎士の持つ剣によって切り殺された。
「御助勢感謝する」
男の騎士は感謝を述べるも彼はそれに答えずに盗賊を見据える。そうして盗賊達は次々と倒され、最後の一人だけとなった。
形勢が逆転する。しかし、最後に残った盗賊は何処までも諦めが悪いらしくナイフを手に騎士に突進を仕掛ける。
それを庇った白髪の彼が代わりにナイフで刺された。
「くっ、くはっ、ははははははははははははははははははははははははっ!!馬鹿な奴だっ、他人を庇って死にやがった!!!」
盗賊は狂った様に笑う。騎士達は顔を青褪めさせた。しかし、其処で驚くべき事が起きた。
むくりっ
「「「はっ?」」」
死んだ筈の彼は平然と起き上ったのだ。
にやあーりっ
彼は盗賊に対し、不敵に笑って見せる。
「ひいっ!?」
その笑みは盗賊に恐怖を与えた。盗賊は彼に背を向け逃げ出した。彼はそんな盗賊に血で真っ赤に染まった石を投げつけた。
「うぎゃっ!!」
石は見事に盗賊の後頭部に当たり、その命を刈り取った。
二人の騎士を助けた主人公、この後どうなるのか。次回もお楽しみに。




