プロローグ
初投稿です。頑張って書きました。
それは遥か昔の事。初代天皇、神武天皇の時代よりも遥か昔。
深い、深い森の中、一人の少女が森の奥の開けた場所に一人の赤子をそっと寝かせた。
「ごめんなさい、私じゃ貴方を育てる事が出来ないの。本当にごめんなさい」
少女はそう言って泣きながら去って行った。赤子の瞳に映った少女の顔はとても悲しげで―――
滂沱の涙を惜しげもなく流していた。その悲しみが赤子にも伝わったのか、赤子は大声で泣き出す。
「ごめんなさい・・・ごめんなさいっ・・・・・・」
これは原初の記憶。決して消える事のない、名も無き不死者の過去。
神代と呼ばれた時代に生まれた子供の記憶だった。
東京都秋葉原、とあるビルの屋上に一人の男が居た。
白髪に朱い瞳、へらへらと笑みの張り付いた黒衣の男。その男は「そろそろ来る頃かな・・・」と呟きながら屋上の扉を見る。
バアンッ
扉が勢いよく開かれ、スーツにサングラスのいかにもな男達が出てきた。その男達は何を思ったのか、次々と拳銃を構え、白髪の男を取り囲む。
物々しい雰囲気。しかし、相変わらず白髪の男はへらへらと笑っている。嗤っている。
「今度こそ追い詰めたぞ、化け物めっ!!」
スーツの男の一人がそう叫んだ。
化け物―――
そう、スーツの男達は皆、白髪のこの男を人間だとは思っていない。・・・それは何故か?
それは、彼が遥か永い時を生きた正真の不死者だからだ。
彼は遥か永い時を生き続けてきた。その起源は初代天皇よりも前の時代まで遡るだろう。つまり、彼は神代の時代から生きている事になる。正に怪物と呼べるだろう。
そんな彼だが、拳銃を向けられているにも拘わらず、どころか相変わらずへらへらと笑いながら男たちをじっと見ている。その笑みにゾクリと背筋に寒気を感じた男達は次々と発砲する。
「ごふっ!!」
拳銃から放たれた弾丸は白髪の彼の身体に吸い込まれ、その衣服を血で染めた。だが、それでもまだ発砲は止まらない。むしろ、止めるつもりが無い。
こんな事で、彼が死ぬ筈が無い。故に、雨あられと銃弾が撃ち込まれる。
ついには彼はバランスを崩し、ビルの屋上から落下する。
(にやりっ)
落下する瞬間、彼は不敵な笑みを浮かべた。そう、彼はわざと屋上から落ちたのだ。
不死者である彼は、ビルから落ちた程度では死なない。そんな程度じゃ死ねないのだ。
「はっはっはっ!!さらばだっ!!!」
そう言って彼は、そのまま落下していった、がっ―――
その後、彼ですら予想だにしない事が起きる。突如、空間が裂けて白髪の男は裂け目に呑まれた。
「・・・・・・・・・はっ?」
気が付くと、彼は、全く知らない未知の森の中に居た。物語は此処からはじまった。
これからも最弱の不死者をよろしくお願いいたします。




