37-1
ワンコロはなんだか情けない気持ちになっている。
大好きな杉玉は自分の倒したユグドラシルっていう樹のようせいらしい。
ようせいっていうのがわからなかったからロボ丸に聞いたら、ちっちゃいやつってことらしい。
悪いなぁって気持ちでいっぱいだ。
気持ちがしょぼんとしてしっぽもしょぼんってしちゃう。
杉玉は
「我らがなんとかしたから大丈夫。
」って言ってくれたけれどやっぱりしょぼんだ。
しょぼんってしているから(仮)が
「だいじょうぶ、って言ってくれているからだいじょうぶだよ!」
ってなぐさめてくれた。
最初は悪いやつって思ったけれどカイの言うとおり、ちゃんと言えばわかってくれるいいヤツだった。
ケサランと杉玉の後についてどんどん進んで結界もこえた。
そしたら急にまわりがやさしくてつめたくてあったかくてふわふわした。
いろいろまざっているみたい。
それでも進んでいくと、キラキラきんぴかの粉が舞っている樹が見えてきた。
樹のまわりにはいろんな動物たちが楽しそうにうたったりおどったりしていて4本の棒が立っている。
「わぁ!たのしそうだね!」
思わず樹に向かってかけよると、樹から黒いもやもやが飛び出してきた。
うたっておどっていた動物たちがにげだした。
急にまわりはしずかになって暗くなった。
黒いもやもやは僕にまとわりつきたいみたい。
でも、僕にくっついてはなれてくっついてはなれてをくりかえす。
たぶんこれ、ユグドラシルってやつで僕が悪いことしたから僕に攻撃をしたいみたい。
たのしかった気持ちがまたしょんぼりになっちゃう。
ワサビってやつを食べたときみたいに鼻のおくがツンってした。
気がついたらなみだがボロボロでてきちゃった。
「ごめんなさい。」
本当は大きな声で言いたかったのに小さい声になっちゃった。
ユグドラシルに聞こえなかったかもしれない。
もう一回大きな声で
「こ゛め゛ん゛な゛さ゛い゛!」
って言った。
鼻水でつまっていたからちゃんと言えなかった。
もう一回。
「こ゛め゛ん゛な゛さ゛い゛!」
なんでちゃんと言えないんだろう。
もう一回って思ってちゃんと言おうと思ったら、
―反省しているなら良い。
私を傷つけないことを永久に誓うならば、許してやろう。―
樹から声が聴こえた。
とわにちかうってなに?って聴いたら(仮)が、ずーっとおやくそくってことだよ、って教えてくれた。
すぅって息を吸って、大きなお口で聴こえるように大きな声で言う。
「お゛や゛く゛そ゛く゛す゛る゛っ!
す゛き゛た゛ま゛は゛!
た゛い゛し゛な゛お゛と゛も゛た゛ち゛た゛か゛ら゛!
ユ゛ク゛ト゛ラ゛シ゛ル゛も゛き゛す゛つ゛け゛な゛い゛っ!」
お鼻がずびずびしてちゃんと言えなかった。
もう一回って大きな声で言おうと思ってすぅって息を吸って大きなお口をあけた。
「大丈夫、伝わったよ。」
って(仮)が僕の肩に手を乗せた。
よーく見ると、黒いもやもやは樹からはなれてとおいお空に行くみたい。
あれ、危なそうだねって言って(仮)が黒いもやもやをしまってくれた。
―我が子が許しているようだし、私も許そう。
ゆっくりしていけ。―
よく見たら、杉玉とケサランが僕のことをまもってくれていたみたい。
小さくて見えなかった。
「あ゛りがとう。」
ちっちゃな声でみんなにお礼を言った。
そしたら小鳥がもどってきてくれておうたをうたってくれた。
そしたら動物たちももどってきてくれておどりをおどってくれた。
「我らもともにおどりましょう!」
ってケサランが言ってくれたからみんなでいっしょにおどった。
(仮)のおどりが変だったから動物たちが笑いだした。
僕もたのしくなって笑っちゃった。
元気がでると力がモリモリでてくる!
なにかできる気がしたから全部の力でユグドラシルに、えいってやる!
「おおきくなれー!」
ユグドラシルがぐんぐん大きくなって太くなっててっぺんが見えなくなった。
「うわぁ、すごいね。」
驚いている(仮)に教えてあげた。
「ぜんりょくで大きくしたの!」
ケサランと杉玉は、さすがワンコロ様!ってたくさん褒めてくれた。
―以前より大きくなったみたいだ。
感謝しよう。
私はしばらく天を楽しみたい。―
ユグドラシルから声が聴こえた。
なんか今日はいいことした気がする!
僕はユグドラシルの近くに行って、僕もありがとうってもう一回小さな声で心を込めて言った。




