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俺たちは今現場にいる。
ごっそりと聞いていたが想像以上だった。
自動車一台分ぐらいの大きさが土ごと無くなっている。
「これが一番最初のヤツ。
ここからどんどん大きくなっていく。
今は楕円形だけれど、最近のやつは真円に近い。」
ジェイコブ兄さんが説明してくれた。
クロエの記録によると、空間の揺らぎが起こったと思われる日には規則性がないらしい。
ポンコツな割りに意外としっかり記録しているらしい。
ロボ丸は、魔力がどんどん安定して真円になっているのかもしれないですね、と予想を立てている。
ロボ丸が現場の撮影をし、周辺植物や土壌の成分などを調べている。
ロッテの参考になるようにと分析理由や方法を説明しながらだからロボ丸先生と呼ばせてもらおう。
俺だったらここまでの調査を思いつかなかった。
調査結果から、壁の東南から西南の方向にかけて発見されること、
土壌の成分からも周囲の植物からも異常な物質は発見されなかったこと。
魔力の残証はあったこと。
一定の距離を離れると空間の揺らぎ跡が小さくなることが分かった。
「ジェイコブ様のご自宅は壁の南側ですので、もしかすると消滅する危険性があるかもしれません。
直ちに移動をおすすめ致します。」
ジェイコブ兄さんは、壁の北側は日陰になるから嫌なんだよな、と言いつつも日陰にならないような距離で場所を探すことにしたらしい。
家の移動にはロッテが家を収納できるくらいに空間魔法を行えるようになれば問題ないとロボ丸が教えてくれた。
がんばりますっ!とロッテが言っているが、がんばれば家一軒収納できることが末恐ろしい。
なにか不安を覚えつつ、俺たちは現場を後にした。




