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この前のみんなおめでとうパーティでワンコロに会えたのがナーガちゃんはとってもうれしかったみたい。
最近、とっても元気で鼻歌を歌っている。
「ナーガちゃん!」
私は、大きな声で呼び止めるとナーガちゃんに向かって駆け足で近づいた。
ナーガちゃんは私を見つけると一瞬笑顔になったのに、(仮)さんに視線を移したようでしかめっ面になった。
その時、私の後ろでゴォーっと音がした。
振り返ると(仮)さんの前に荒々しい水の壁が出来ていた。
私はびっくりしてナーガちゃんを見る。
ナーガちゃんは首を振って、
「いいんでありんす。
こやつはあちきの恋を邪魔するやつでありんす。」
確かにパーティを思い返してみると、ワンコロの右隣りはケサランで左隣りは(仮)さんで、お向かいさんは私だった!
私はカイさんのお隣でナーガちゃんのお隣だったから緊張しちゃってナーガちゃんにばかり話しかけていた。
あの時(仮)さんはワンコロとロボ丸にたくさん話しかけていたから私がワンコロに話しを振ったつもりが(仮)さんとケサランちゃんが答えることになって全然ナーガちゃんはワンコロとお話しできなかったんだった。
私は慌ててナーガちゃんに説明する。
「(仮)さんはいい人で、ワンコロも多分いい人って言っていて。
それで、あの、(仮)さんは男だから(仮)さんの好きは恋してる好きじゃなくって。
そうそう、(仮)さんには彼女がいるの!
私たち片思いだから(仮)さんのお話は参考になると思うの!」
ナーガちゃんが目を細めてくすくす笑う。
「あちきたち片思いとは、やっとロッテちゃんも恋している気持が分かったのかえ?」
ちがう、ちがう、
「ちがう!私たちじゃなくってナーガちゃんの!
ナーガちゃんの参考になると思って!」
間違えた!顔が火照っているのがわかる。
そういうことなら、とナーガちゃんは水の壁を取り払ってくれた。
すごい水飛沫だったからか、(仮)さんは頭からびしょぬれだ。
(仮)さんはシャツの裾を絞りながらこちらに近づいてきた。
濡れた頭をブルブルと振って水飛沫で飛ばした後、
「こんにちは。」
(仮)さんは口元だけ笑顔でナーガちゃんにご挨拶をした。
こんなにびしょぬれなのに笑顔を作れる(仮)さんって大人の男性だなぁ。
多分、こういう人当たりの良いところがモテる秘訣なのかもしれない。
「それで今日はなにをしに来たのかえ?」
ナーガちゃんは私のお口を手で押さえながらまっすぐ(仮)さんを見ながら聞いた。
お口を手で押さえられているから上手くお話できずにあぐあぐ言ってしまう。
「先日はお話できなかったから。
ワンコロ君ってすごくいいヤツだけど、そのワンコロ君を見る目が僕の彼女に似ている気がしてね。
女心を聴きたくなったんだ。」
僕の彼女が僕のことをどう思っているのかナーガちゃんから聴ける気がして、と(仮)さんが目も口も綻ぶように笑いながら言った。
ほぅ、と溜息をついたナーガちゃんは(仮)さんのことを許したようだ。
ついて参れ、と私たちをいつもの練習場に案内する。
私たちは魔法の練習をしながら恋バナをした。
昔、魔術師だった(仮)さんは初めは上手く魔力が煉れなかったみたいだけどなんとなく形に出来るようになったみたい。
小さな風を起こせるようになったから濡れた衣服を乾かすように自分に当てていた。
(仮)さんのコントロールの上手さに感心したからコツを聴いてみた。
「たとえば、この魔法を好きな人に使おうと思ったらやわらかくなるし、
嫌いな人に使おうと思ったらきつく尖ってしまう。
言葉とか態度と同じだよ。
緊張しちゃえばめちゃくちゃになっちゃうし、自信がなければ威力も小さくなる。
気持ちの問題だと、僕は思っているよ。」
僕の彼女はやさしいからいつもやさしい魔法なんだよね、と(仮)さんの惚気が続いた。
ナーガちゃんはあきれたように笑うし、私もつられて笑っちゃった。
好きな人がいるっていいな。
私は心からそう思った。




