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神様の好きなものランキングと女性の好きなスイーツランキングを検索。
検索結果から武御名方様の奥様が好きなものを予測してスイーツを作成した。
もちろん、本日作成した料理に武御名方様のお好きなあんこのお餅も持参した。
こうして私は武御名方様のいらっしゃると思われるお社の前にいる。
カイ様が作ってくださった召喚獣用のネックレスは付けている者のところにいつでも転移可能だ。
召喚獣用とは言っているが好きな時に好きな人のところに行ける優れものだ。
こんばんは、と声を掛けるとお社の奥から「上がって来い」と武御名方様のお声がする。
では、と履物を脱ぎお社に入る。
お社の奥に進むと武御名方様と大変お美しい女性が居られた。
武御名方様は大変お美しい女性を気遣うように隣に寄り添っていらっしゃる。
隣の大変お美しい女性はご機嫌が少々よろしくないようだ。
「初めまして、ロボ丸と申します。」
両膝と両手を床につき頭を下げる。
日本というところのしきたりでは正座で頭を下げてご挨拶をするのがマナー。
素早く検索してご挨拶をした。
そして空間魔法で素早く出来立ての料理を取り出し、お二人にお納めする。
「ほぅ、あの傍若無人と知り合いであるのに殊勝なこと。
気に入った、食べて進ぜよう。」
美しい御方がそういって食事に手をつけられた。
美しい御方が私の作った自慢のお赤飯を口に入れた瞬間、目を見開かれた。
「これは美味しい……。」
お口に合って大変嬉しく思います、と私はお返事をする。
「もしや、小豆粥を夫に持たせたのはそなたか?」
やはりこの大変お美しい方は武御名方様の奥様だったようだ。
「私でございます。
八坂刀売命様のお口に合うように精進いたしました。」
と深々と私は頭を下げた。
八坂刀売命様が目を細めて言った。
「小豆粥は神事に使うのもの。
好物などではない。
いや、美味しいと思っているのだが好物だから神事に使っているわけではない。」
それを勘違いしておるのだ、とブツブツ八坂刀売命様が言っている。
女性の気持ちと女性への対応で素早く検索する。
この場は、相槌を打って置くと良いらしい。
そうでございますね、そうでございますねと相槌を打ちながら私は甘酒のプディングをおすすめする。
「ご神気の高い方はお酒がお好きと聞き及びましたので、日本酒をしっとり浸み込ませたケーキもお持ちしました。
お日持ちも致しますので、今日お召し上がりになられなかった場合は後日お召し上がりください。」
この日本酒は杉玉様が本当はお酒の精霊かもしれないということで、内緒で杉玉様とケサラン様と一緒に仕込んだものだ。
良い感じに熟成を加速させることが出来た自慢の一品だ。
「大変申し訳ございません。
本日は私事で吉事がございまして、その喜び事のおすそ分けに参りました。
家で私を待っている者も居りますので、この辺りでお暇させていただきます。」
武御名方様の分が悪くならないうちに退散したい。
「そうか、残念だがまた来るが良い。
手土産などあれば更に歓迎してやろう。」
くすり、と笑いながら八坂刀売命様がおっしゃった。
それでは、と退散するときに八坂刀売命様が私を引き留めた。
「夫の首にかかっているネックレス、そなたの縁のものが作ったのであろう。
私の分も納めるようにと伝えるように。」
退出する私を追って武御名方様がやってきた。
「すまんのう。
我妻は三国一の美人で心根も優しく気立ても良いのだが、ちょっとご機嫌斜めでの。
いつもは私以外にはもっと優しいのだ、本当にすまん。
それで吉事とは?」
私は魔術師に、ロッテ様は魔術師見習いに、ワンコロ様は召喚獣の登録に、カイ様は免許の更新に合格したことをご報告した。
武御名方様は破顔しておめでとうと喜んで下さった。
「最近、私がそちらに出向くことをひどく気に障ると妻が申していてな。
私に愛情を向けてくれている事がとても嬉しいのだが、若干そなたの作る食事を懐かしく思っていたところだったのだよ。
今日の食事は大変ありがたい。
恩に着る。」
と武御名方様は頭を下げた。
私は、奥様のお好きなスイーツをお作りしてまた参りますと言ってお社を後にした。




