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家主が家のソファーに深くだらりと腰掛けながら、忌々しいロボットに話しかけている。
「鍛冶屋が言うには、得物がかなりの高品質な素材を使っているから鞘もそれ相応の素材で作成しなければならんそうだ。
なにかいい素材に心当たりはあるか?世界樹とか。」
忌々しいロボットが左上に視線をやって一瞬動きを止める。
頭を振って忌々しいロボットが家主に答えた。
「世界樹、ユグドラシルの方は現在人間界にはいないようです。
おそらく死者の国の方に小さいものが残っているぐらいでございます。
扶桑の方は、私の検索でも場所が見つからないためロストしたかもしれません。」
忌々しいロボットは先日、偉大なるワンコロ様に恐れ多くも助言をし、それを聴きいれたワンコロ様はそれはそれは尊い人間の手足を得ることとなった。
我が助言したかったのに、我に口がないため助言できなかった。
我が偉大なるワンコロ様に助言など千年早いわ!
その忌々しいロボットに助言を求めるなど、悲しいものだ。
家主に我がいるぞと、大きくなったり小さくなったりしてみたが伝わらないようだ……。
ワンコロ様の凛々しいご尊顔をじっと見る。
「ゆぐどらしる、ゆぐどらしる、なんかそんなお名前の木、ぶったおしたかも!」と無邪気なご尊顔でワンコロ様がおっしゃられた。
さすがでございます。世界樹を倒せる方は偉大なるワンコロ様より他にありません!
大きくなったり小さくなったりしてこの感動をワンコロ様にお伝えしたいのだが、なんとも伝わらない。
家主が、死者の国には死なないといけないからなぁ、なんて笑いながら言っている。
セフィロトの樹とかなんとか言っているがそんな手折ると呪われる樹などに用はない。
この我が!ワンコロ様のために世界樹を採って参りましょう!




