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10-1

カイさんが店内(てんない)でゴーグルをいじりながらロボ丸に問いかけている。

「人間みたいな見た目でロボ丸って名前はそろそろ客が(いぶか)しがるだろう。

名前を変えたほうがいいんじゃないか?」

(わたくし)、この名前が気に入っているので。」

ロボ丸が(かぶり)()る。


ジェイコブさんとクロエちゃんに別れを()げて私たちはおうちに戻ってきた。

それからカイさんは創作意欲(そうさくいよく)()いたみたいでゴーグルを何かにするみたい。

何を作るかはまだ秘密だって言われちゃった。

カイさんとロボ丸はあだ名にしたらとかセカンドネームはなどと押し問答(もんどう)をしている。

スライム樹脂(じゅし)(まと)うようになってからロボ丸は一般的(いっぱんてき)にいうイケメンになった。ロボ丸(いわ)く、人間の平均的(へいきんてき)なパーツを組み合わせてみたみたい。

さわやかそうな男性がロボ丸って言われていたらちょっとだけおかしいかもしれない。

でも、ロボ丸はこの名前がいいみたい。

「この名前はロッテ様がつけてくださった名前です。

それに皆様(みなさま)にロボ丸と呼ばれる(よろこ)びも感じています。

今更(いまさら)名称(めいしょう)変更(へんこう)または追加(ついか)など不必要(ふひつよう)不効率(ふこうりつ)と思われます。」

ロッテ様はご賛同(さんどう)いただけますよね?とロボ丸が私に問いかける。


ロボ丸の言うこともわかるし、カイさんの言うこともわかるんだよね。

どうしようと困っているとカイさんが、

「そもそもロボ丸はロボットだったのに人間になったら客がびっくりするだろう?

(うわさ)になったら協会(きょうかい)に言い訳できないぞ。」

面倒(めんどう)ごとにならないためにと説得(せっとく)している。

なのにロボ丸は「最近(さいきん)、人の記憶(きおく)(よみがえ)らせないように研究(けんきゅう)いたしました。私に関する記憶(きおく)について活発(かっぱつ)に呼び出している部分をスキャンで発見し、その部分に接続(せつぞく)する神経細胞(ニューロン)神経(しんけい)伝達物質(でんたつぶっしつ)が伝わらないようにシナプスの部分を少しだけ(いじ)ることによりロボ丸という名前を聞いてもロボットのロボ丸と認識(にんしき)しないようにしました。」などと(むずか)しいことを言ってカイさんの名前を変えてほしい理由(りゆう)理由(りゆう)にならないと()っぱねる。


カイさんがロボトミーはダメだとかなんとか言っているけれど、(むずか)しすぎてどちらが正解かわかんない。

でも、きっとカイさんの言うことが正しいのだろうとロボ丸を説得(せっとく)しようとしたが、

「これは私のわがままです。

人間はわがままを言うものです。

だから私もわがままを言いたいのです。」

とロボ丸が断固(だんこ)として拒否(きょひ)をするものだからカイさんも渋々(しぶしぶ)施術相手(せじゅつあいて)健康(けんこう)(そこ)ねない程度(ていど)に」と(ゆる)してあげていたみたい。


そんなこんなで言い合っている中、カイさんが唐突(とうとつ)に「できた」とゴーグルを私に手渡(てわた)してきた。

その茶色いゴーグルはピンクのガラスが付いていてカッコいいのにかわいくって私好(わたしごの)み。

これは?とカイさんに(たずね)ねる。

「ロッテはとっさの防護魔法(ぼうごまほう)が苦手だろう?

それに付与魔法(ふよまほう)をかけて防御力(ぼうぎょ)をあげるといいかと思ってな。

ゴーグルだと砂塵(さじん)などの物理攻撃(ぶつりこうげき)(ふせ)げるから一石二鳥(いっせきにちょう)だろ?

人間は視覚(しかく)で8割ほどの情報(じょうほう)()ているから目がやられるとどうにもならんことが多いからな。

かわいい女の子だし、ピンクの遮光(しゃこう)ガラスにしてみた。ピンクの服が似合(にあ)っていたからいいかと思って。」


カイさんにかわいいって言われちゃった!

それだけで顔が熱くなるのがわかる。

女の子は第六感(だいろっかん)(すぐ)れているとかなんとかいうから無駄(むだ)だったかもな。って小声(こごえ)でぼそぼそ言うカイさんに「無駄(むだ)じゃないです」っていうのが精一杯(せいいっぱい)だった。

なんだかふわふわした雰囲気(ふんいき)をわざと変えるように、

「これから付与(ふよ)をしようと思うがうまく出来(でき)たら試用(しよう)しに行こう。」

とカイさんが付与魔法(ふよまほう)のおすすめを聴いてくれた。

なんかうまく言えないけれど私のことを思って作ってくれたことも、私の服を()めてくれたことも、似合(にあ)う色を考えてくれたことも、それだけじゃなくなんか全部うれしかった。


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