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ジェイコブ兄さんの家に戻ったが、二人はまだ帰って来ていないようだった。
ロボ丸の指導の下、
形のよい果実は生食用にそれ以外はジャム用にと丁寧に選別する。
熟した果実は実が崩れやすい。
ロボ丸の洗浄魔法で実を傷つけないように汚れを落した。
お砂糖は防腐剤替わりですからね、とロボ丸が黒スグリと同量の砂糖と一緒に果実を煮込む。
ギルティなジャムの甘酸っぱい香りがキッチンいっぱいに広がった。
この前作ってくれたふわふわパンケーキにかけて食べたいとワンコロ。
おばあちゃん直伝のしっとりシフォンケーキを焼いてそれに添えたいとロッテ。
家主のジェイコブ様はイギリス系なのでさっくさくのスコーンがお好きなはずとロボ丸。
ロッテが元気になったなら何でもいいからな、
材料があるなら全部作ってしまえばいいと言おうとしたとき。
ドアが開いた。
そこにはクロエに肩を貸してもらったジェイコブ兄さんが居た。
心配になり駆け寄りつつ、回復魔法をかける。
おかしい、まったく回復していないようだ。
クロエに詳細を聞いた。
「魔力不足による疲労困憊ト思われます。
帰宅途中ニ魔物の群れト遭遇。
ロボット三原則ノ一つ人間への安全性ニ基づき、私ガ魔物ヲ単独撃破。
任務完了後、自身ノ魔力不足により行動不能状態マデ残量2%に魔力低下。
それを解消するためマイマスターから私ノ稼働に必要な分の魔力ヲ供給してもらいました。
恐らくそれが原因ト思われます。」
と、クロエが誇らしげに報告する。
それを聴いたジェイコブ兄さんがクロエを褒める。
「俺の嫁は俺の為に戦ってくれたんだよー。
よくできた嫁だよな☆」
クロエの時は魔力を皆で命一杯込めた。
そのせいで魔力タンクが大きくなり過ぎてしまったことが原因かもしれない。
理由はそれだけじゃないのだろうけれどジェイコブ兄さんが幸せならそれでいい。
俺はいつも常識の範囲内で行動してくれるロボ丸に心の中で強く感謝した。




