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8-4

(ちい)さな(いえ)()えたのは(かべ)(たか)かったからだ。

クライミングが得意(とくい)そうな(ひと)なら(のぼ)れそうなものなのだが(なか)(かべ)はきれいに()っすぐで、魔術師(まじゅつし)(つく)っただけあって自己修復機能(じこしゅうふくきのう)(こわ)しても(もと)(もど)ってしまうそうだ。


(いえ)戸口(とぐち)()ちノックする。

()てきたのはカイ様より年上(としうえ)男性(だんせい)だった。


「ひさしぶり。突然(とつぜん)連絡(れんらく)くれたときは(おどろ)いたが()っていたよ。」

男性(だんせい)(いえ)(なか)に私たちを(まね)いてくれた。


ジェイコブと名乗(なの)った兄弟子(あにでし)は、(ひと)()てもお(ちゃ)()すことはないからなと不揃(ふぞろ)いなカップでお(ちゃ)()してくれた。

出会(であ)ったことのない成分(せいぶん)(はい)っている薬草茶(やくそうちゃ)のようだ。

この成分(せいぶん)からすると腎臓機能(じんぞうきのう)回復(かいふく)とむくみに()くことを目的(もくてき)としているようだ。


それでこれが(うわさ)のヒューマノイドかとジェイコブ様がカイ様に説明(せつめい)(うなが)す。

「ロボ丸に味覚受容体(みかくじゅようたい)搭載(とうさい)しておいしいが体感(たいかん)できるようにしたい。

そのためにこの(かべ)(なか)でスライムを()ってこようと(おも)っている。」


ジェイコブ様は(すこ)思案(しあん)したあと

「スライムっていうのは、あの(あま)いものしか()()けない()わったスライムのことか?」

()いてきた。


カイ様がスライムの有用性(ゆうようせい)についてと(かべ)(なか)(はい)るために(かんが)えた安全対策(あんぜんたいさく)についてひとしきり説明(せつめい)した。

「まあ、()いたいことは()かった。

どうしても変異種(へんいしゅ)のスライムが()しいと。

どうなっているかわからない(かべ)(なか)もおまえなら大丈夫(だいじょうぶ)かもしれない。

だがな、兄弟子(あにでし)として師匠(ししょう)(おこ)られるのを()かっていて()かせる(わけ)がないだろう。

たとえ師匠(ししょう)がこの()にいなくても。」

とジェイコブ様が無慈悲(むじひ)(つた)える。


大丈夫(だいじょうぶ)なんです、と

私たち(みんな)(かべ)(なか)()けば大丈夫(だいじょうぶ)なんです、と()いたかった。

でも、それだけではこの(かた)意思(いし)()げる(こと)出来(でき)ないだろうと必死(ひっし)(かんが)える。

ロッテ様とワンコロ様がジェイコブ様に自分たちもついて()くから大丈夫(だいじょうぶ)(うった)える。

ケサラン様も(おお)きくなったり(ちい)さくなったりして(うった)えている。


ジェイコブ様が()()じた。

なにかを(かんが)えていらっしゃるようだ。


しばらくしてジェイコブ様が()()けて()った。

「イギリスの言葉(ことば)にギブアンドテイクっていうのがある。

恩恵(おんけい)があるなら(かんが)えないこともない。

つまりはだ、具体的(ぐたいてき)にいうと俺もヒューマノイドが()しい。

しかもだ、カイの理論(りろん)だとより(ひと)(ちか)づける。

錬金術師(れんきんじゅつし)(ゆめ)(かたまり)だな!」


私を(つく)る。

この中身(なかみ)のない()の私がもう一つできたなら、この空虚(くうきょ)部分(ぶぶん)共有(きょうゆう)できるのであろうか。

ロッテ様にお願い(おねが)いをする。

「ゼヒトモ私ヲモウ一ツ作成(さくせい)シテクダサイ。」


ロッテ様がうなづく。

(てつ)みたいなのと、

ワンコロがくれた(たま)があれば(つく)れます!

だよね、ワンコロ?」


ワンコロ様も(うれ)しそうに

「あのときは精霊(せいれい)もいたよね。

今からお(そと)()って()んでくるね。

(たま)はこの(まえ)カイに(わた)したのを使(つか)っていいならすぐに(つく)れるよ!」

とぴょんぴょん()()ねる。


「モルボルのやつか。

ジェイコブ(にい)さんの(たの)みだしなんといってもロボ丸のためだ。

(てつ)みたいなのっていうのが心配(しんぱい)だな。

炭素鋼(たんそこう)だと()びだろうからステンレスで(さが)そうな。」


(じつ)(てつ)ではなく(なまり)とニッケル、モリブデンなど様々(さまざま)金属(きんぞく)融合(ゆうごう)させた特殊合金(とくしゅごうきん)です。

可動部(かどうぶ)ごとに耐久性(たいきゅうせい)魔力(まりょく)伝導性(でんどうせい)考慮(こうりょ)して自身(じしん)でいろいろ(つく)()えていました、とカイ様には(あと)(つた)えよう。

もう一人の私ならコツを(つた)えればカスタマイズできるはず。


もう一人の私ができることに魔力回路(まりょくかいろ)(めぐ)りが()くなった()がした。

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