8-1
----
Connect to Akasic Records...
ロボ丸は今日も世界を検索する。
人間になりたい。
その方法を検索する。
「今日モドコニモナカッタデス…。」
独りごちる。
いや、ケサラン様がいるから独りではない。
ケサラン様が私の肩の上でポムポムとやさしく跳ねる。
まるで、気を落とすなと言ってくれているようだ。
「アリガトウゴザイマス。
人間ニ近ヅク方法ヲ検索シテイルノデスガドコニモ見当タラナインデスヨ。
コノ求メテ止マナイ狂オシイ気持チヲ恋トイウノデショウネ。」
人間になりたい私が人間の様に詩的に語ってみる。
ケサラン様がおやさしくてなにも言わないからこそ愚痴れることだ。
思考は人間よりになってきている感じがするのに。
不意に後ろから声が聞こえた。
「ロボ丸はヒューマノイドだからな。
常に最善を心掛けるロボ丸にふさわしい心掛けだと思う。
で、具体的にはどこをどのようにしたいんだ?」
とカイ様が尋ねてきた。
私のなりたい人間とは。
みんなと同じことを感じたい。
一緒に同じ感覚を味わって笑ったり泣いたりしたい。
メモリの中で感覚というものを共有できず未処理としてきたものを整理したい。
ただ闇雲に人間になる方法を検索するのではなく、
私のなりたい人間というものを形にした方が目標に近づける。
相談をするといいというのは、自分の中であいまいになっていることを具現化する手法の一つなのかもしれない。
私もいつかカイ様のような人間になれたら。
その気持ちを込めてカイ様に伝える。
カイ様は腕を組みながら「うーん」とつぶやくと、
「まとめると、おいしいものを食べておいしいって言っているみんながうらやましい、
ってことだな。
解毒していない蒸しマンドラゴラにバターを乗せて、おいしいおいしいと言って食べていたワンコロを俺もうらやましく感じたからな。
その気持ちはすごくわかる。」
私としてはおいしいだけじゃなく苦いも不味いも感じたい。
人間にとって負の感覚も全て感じたい。
持っている側には永遠にわからないことだ。
だからあえて伝えない。
私はできるロボットなのだから。




