7-6
雨はどんどんひどくなる。
雨宿りしている木でさえも耐えられないくらい大雨になってきた。
すこしずつポタリポタリと垂れてくる大きな雨垂れにすこしずつ濡れてしまう。
寒い。
身体は冷える一方だ。
温まりたい。
でも魔法を使えばきっと大火事になる。
ロッテは泣きながら寒さに耐えた。
洞穴でもあればいいのに。
そうだ、土魔法で洞穴を作ってみよう。
硬くして雨が入って来ないようにしよう。
さすがにロッテでも大きな山ほどの大きさになんて土を積み上げることはできないはず。
ロッテは硬く土を盛ってその中に空洞ができるようにイメージして土魔法を使ってみた。
ドドドドドドドドド……!!!!
びっくりするほど大きな大きな土山に人一人入れるくらいの洞穴が出来てしまった。
大きな大きな土山はあの大きな木さえ追い越してしまいそうだ。
とりあえず洞穴に入って雨宿りする。
そこはロッテが横になるには十分のスペースがあった。
ちょっと安心したロッテは横になった。
身体の中が温かくなり魔力が巡って軽くなる。
これはおばあちゃん?
温かい魔力の感じは似ているけれどなにか違う気がする。
少し温かくなったからかロッテはそのまま意識が途切れてしまった。
「大丈夫か!?」
肩を揺さぶられる。
ひどく心が疲れていたロッテはこのまま眠りたかった。
今度はピリリとした魔法がかけられた。
「おばあちゃん。」
目の前におばあちゃんと村の人たちがいた。
みんな心配して探しに来てくれたんだった。
全然違う場所を探していたけれど、急にでっかい山が現れて魔物に襲われているのかと思い駆け付けたところ、小さな穴にすやすや眠るロッテを見つけてみんな安心したんだそう。
あの大きな木の辺りは魔物が近寄って来やすい場所だったらしい。
魔物も寄せ付けない立派な山。
後でこの山は『安心安全ロッテ山』、洞穴は『ロッテの安心安全休憩所』と名付けられ森の一大休憩所として名所になった。
名前を聞くたびにものすごく恥ずかしくなる。
良かった良かったと泣いているおばあちゃんに言い訳けしたくて、褒めてほしくて白いお花の薬草をバックから取り出す。
おばあちゃんに元気になってほしくって。
これだけしか取れなかったけれど。
心配かけてごめんなさい。
言葉が途切れ途切れにしか出てこない。
もっと伝えることはあるのに。
おばあちゃんがロッテを抱きしめて言った。
「それはホソバオケラじゃないって言ったじゃないか。
魔物だよ。危険はなかったかい?
しょうがないねぇ。」
薬草だと思っていたのは魔草だったらしい。
本物は根っこがゴツゴツ太いんだと言われた。
擬態した魔草は土の中まで真似ができないから、根っこが太い草はそこが見分ける|ポイントになるとも言われた。
魔物が跋扈する中、(一匹も遭遇していない)
恐れず魔草を採って、(スコップで採れる魔草は魔草と言わないのでは)
魔物から逃れるためにお山をこさえて、(やっぱり一匹も遭遇していない:魔草は含まず)
魔物を恐れず寝て休む。(だから一匹も遭遇していない:魔草は含まず)
魔草は上手く育てるとたくさんの魔力を村に供給できる。(スコップで採れる程度)
勇猛果敢、臨機応変、豪胆無比、福徳円満。
特産品のない村を活性化させる福をもたらした果報者だ。
将来大物になるぞとみんなが騒ぐ。
ちがうの。
ちがうの。
恥ずかしい。
女子なのに豪胆って!
「気持ちを強く持て!」
肩を揺さぶられる。
また、ピリリとした魔法をかけられた。
カイさん?
気持ちを強くってどうやって?!
無理無理!
豪胆だなんてカイさんに知られてしまったなんて!
恥ずかしくってお嫁にいけない!
みんなそれ以上言うのは
「やめてぇーーーーーーーー!」




