6-2
私は、知識を集めるのが好きだ。
集めた知識を形にするのはもっと好きだ。
だから料理は楽しい。
集めた知識を料理にしてみんなに食べて喜んでもらう。
世界にとって新しいことはできないけれど、みんなにとっては新しい。
新しいことができない自分のみんなにとって新しいことができる料理に喜びを感じる。
カイ様に少しだけ心の内を言った時に、「それは人間の心だよ。心は人間で体はロボットだから進化した人間だな。」と言ってくれた。
どう見ても無機質な私が、カイ様の目に有機物の人間に映るのはもしかしたら私の願いが叶ったのかもしれない。
なにもない空間に有機物の私を浮かべて漂う。
有機物の私は隙間を漂っていることに気が付く。
なにかそこにある。
有るところに意識を飛ばす。
紫色の髪色をした女性と今より若くて小さいカイ様がいる。
紫色の髪の女性はやさしく慈しむような表情でカイ様の頭を撫でる。
カイ様は恥ずかしそうに少しだけ嬉しそうに、「もう一人前になったんだから頭撫でないでよ!」と怒った口調で紫の髪の女性に言う。
「まあ、いいじゃないか。
一人立ちができるようになったお祝いだ。
今日はたくさん酒を飲もう。」
紫の髪の女性はクスクス笑いながらカイ様に語り掛ける。
「お酒を飲むのは師匠だけでしょ!
いつも自分のことばっかりなんだから!
今日は俺が薬師免許を取れた合格祝いなんだからね!」
紫の髪の女性は、なぜか私の方をみると
「おまえの知り合いに恥ずかしい所は見せられないからね。
おまえの大好きな肉をたくさん準備しよう。
野菜もたくさんつけるけれどな!」
大声で笑いながら更にカイ様の頭を撫でる。
カイ様の頭はぐちゃぐちゃだ。
接続が切れる。
これはインターネットにはない記憶。
もしかしてこのなにかの先にはいろいろな人たちの記憶があるのかもしれない。




