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ワンコロはみんなの元に戻るために歩みだす。
みんながワンコロの元に走って駆けつける。
マンドラゴラが楽しみなんだろう。
みんなが楽しみにするマンドラゴラを見つけて採取できた。
ワンコロの胸になんだか自信が湧いてくる感じがした。
一番にカイが駆けつけてワンコロを抱き上げる。
食いしん坊だなぁ。
「大丈夫か?
痛い所はないか?」
痛い?痛くはないが弱いふりは大事だ。
「ここらへんが痛い…かもしれない。」
と適当に胸のあたりをトントンしてカイに答える。
ロボ丸が駆けつける。
「油断シマシタ。
トッサニカイ様ガ放ッテクレタ防御魔法ノオカゲデ大事ニハ至リマセンデシタ。
ソレデモ魔力ガ音波ニ乗ッテイタタメ早スギテ少シ攻撃ヲ受ケテシマイマシタ。
音波ノ縦波ヲコレホド意識シタコトハアリマセン。
縦波ハ威力ガ弱イト言ッテモ攻撃ヲ受ケテシマッテハ元モ子モアリマセン。
精神攻撃系ノ魔法ノヨウデシタガ、精神攻撃系ガ効カナイハズノワタシデサエ回路ガフリーズシテシマイマシタ。
ワンコロ様ハ大丈夫デシタカ?」
全く問題ないがロボ丸にも心配されている。
ロッテとケサランがよろよろと駆けつける。
ロッテなんて大泣きしている。
「ぐすっ。
思い出したくない昔の黒歴史を思い出しちゃって……。
ぐすっ。
しばらく夢に出そう…。
ワンコロは大丈夫?
つらくない?」
カイがみんなに精神系の回復魔法をかけながら続ける。
「誰にでも黒歴史はあるものだ。
それを乗り越えてこそ大人になれるんだ。
ワンコロも思い出したくない黒歴史を思い出して胸が痛かったろう。
でもな、昔の恥ずかしい自分がいるから今の自分がいるんだ。
俺は今のみんなが好きだ。
今のみんながいいやつらなのは昔のみんながいたからだと思っている。
回復魔法でも癒えない心の傷は残るだろうけれど、
昔の恥ずかしい自分も全部ひっくるめて、今の自分を認めてくれる存在がいるって思うと心の傷が少しはマシにならないか?
こっ恥ずかしいことを言っているのは分かっている。
でも、このくらい本当のことを言わないとこの傷は癒えないだろう。
まあ、そういうことだ。」
カイがちょっと頬を赤らめながら言っている。
昔の自分は嫌なやつだったけれど、でも、昔の自分もほんの少しだけ好きになったかもしれない。
なんか。
なんかよくわかんないけれど、
なんか思ったのと違ったけれど、
なんかこっちの方で良かったのかもしれない。
こころの底の暗く冷たかったところがあったかくなった気がした。




