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みんなで森の前に集まっている。
群れのリーダーであるカイが確認をしている。
「この森は危険が少ない。
少ないとはいえ、危険がないわけではない。
もしもの時のために、自分の能力を皆に教えておくのがパーティの鉄則だと俺は思っている。
ということで、まずは俺からだ。
俺は、魔法全般が使える。
火力は皆に比べると低い方だが命中率は98%程で展開は早い方だと思う。
遠距離攻撃は最大1㎞だ。それ以上になると標的が目視出来ないので命中率が低くなる。
近接戦での武器は双剣だ。
遠距離近距離ともに火力が低いのでクリティカルヒットは期待しないでくれ。
以上だ。
では次、ワンコロ。」
ご指名を受けたのでワンコロは実力を控えめに答える。
こういうのは実力を低めに言った方が実際の時に評価が上がるものなのだ。
「ワンコロも魔法全部使えるよ。
キュピーンって感じで魔法を打つよ。
遠くの敵はなんとなく打ったら当たる感じ。
近くの敵は爪でシャッてやったり、ガブッて噛むよ。
皆の邪魔にならないように頑張ります!」
カイの目からハイライトが消えている。
もしかしてワンコロの実力を頼りにしていたのかもしれないが残念だったな。
のうあるたかはつめをかくすなのだ。
本当の実力は後でしっかり見せてあげるから大丈夫なのだ。
「頼りにしている。
次、ロッテ。」
あわあわあわてたロッテが答える。
「魔法は一応全部使えますが、火魔法が苦手です。
一応、他の魔法も苦手ですが大きな被害がでたのは火魔法だけです。
得物は大剣です。
小さい獲物は苦手です。」
カイの目からまたハイライトが消えている。
ロッテは不器用みたいで魔法も大剣もとにかくぶっ放す。
ワンコロがちょっとだよって言ったのに村の牧草地が一瞬で燃え尽きてしまって牛がものすごく怒っていたのはなつかしい思い出だ。
「俺がサポートするが、魔法に関しては指示があるまで使用しないように。
近接戦に期待している。
次、ロボ丸。」
ロボ丸は一瞬動きを止めたかと思うと、話し出した。
「私ハ、魔法ニ関シテ習得シテイルモノハ
火魔法カラノプラズマ魔法
水魔法カラノ氷魔法
土魔法カラノマグマ魔法
風魔法カラノ重力魔法
光魔法カラノ聖魔法
光魔法ノ亜種デアル雷魔法カラノ原子魔法
闇魔法カラノ空間魔法
ノミデス。
近接戦ニオイテハ、古代カラノ各種格闘技ヲアカシックレコードカラ習得済ミデス。
魔法ニ関シテハ使エル種類ガ少ナイコトヲオ詫ビ申シ上ゲマス。
マタ、格闘技ニ関シテハ習得済ミデスガ実戦経験ハアリマセン。
オ力ニナレルカ大変不安デスガヨロシクオ願イシマス。」
カイの目からまたまたハイライトが消えている。
そう、こいつはいつも
きじょうのくうろん?ってやつでウンチクばかりを述べるのだ。
アカシックレコードっていうのがよくわかんないけれど知識ばっかりで頭でっかちってやつなのだ。
なのにいつもカイに褒められている。
うらやましいが、今日はワンコロが褒められる日なのだ。
「魔法に関しては短い時間でよく習得した。十分だ。
近接戦に関しては無理をせず、今日は様子をみながらにしよう。
もしもの時はワンコロがサポートしてくれ。
次、ケサラン。
……ケサランは本当に参加していいのか?」
ケサランのフワフワが大きくなる。
YESの合図だ。
「よろしい。
出来る事はあるか?
小規模でいいから実際に見せてもらうことはできるか?」
ケサランのフワフワが震えると、ワンコロに金色の粉が降りかかってきた。
カイがワンコロに向かって多分鑑定の魔法をかけた感じがした。
「ケサランはバフが得意なんだな。
ワンコロの胃腸の強さと幸運値がちょっと上がっている。
見せてくれてありがとう。
バフに関しては適材適所で自発的なものを期待している。
メンバーの実力が皆も分かったと思う。」
質問はあるか?とカイが聴いている。
カイは心配性だからワンコロがお腹いっぱい食べておなかを仰向けにして寝転がっているとこっそり鑑定の魔法をかけて、ちょっとよくなさそうなときはこれまたこっそりとおなかの調子がよくなる魔法をかけてくれる。
もしかしてケサランもワンコロを心配していたのかもしれない。
ちょっとだけ、ちょっとだけケサランを見直した。




