奇跡
※投稿日 2012年 11月30日の作品の改稿版です。
明日どうなるかなんて誰にもわからない。“あの日”のぼくもそうだった……
大きな希望も
大きな絶望も抱かずに
毎日なんとなく生きてきた
朝目を覚ましてその後することは
だいたいいつも同じで
どこか退屈に感じてた
それが何の前触れもなく
ある日突然崩れてしまうことを
いったい誰が知っていただろう
戦争もないこの国は安全そのもので
平和に慣れすぎた人々は危機感から遠ざかっていた
明日は必ず来るという保証は
本当はどこにも誰にもないのに
失ってはじめて気付く尊い存在
永遠にやり直せない過去
心にできた深い傷痕
今ここに居る奇跡を君の温もりから感じたい
明日消えてしまうと知ってたら
繋いだその手を離しはしなかっただろう
あの永い一瞬に浮かんだのは君のことばかりで
どうかあの人を助けてくださいと
あの人を守ってくださいと
震えながら祈り続けてた
また会えなくなるなんて思わなかった
だから別れるとき“じゃあね”としか言わなかったんだよ
それが最後に交わした言葉になるなんて悲しすぎるよ!
今ここに居る奇跡を君を抱きしめて確かめ合いたかった
あの日日常が壊れてしまうと知ってたら君と離れたりはしなかっただろう
無数の瞬きが天に上り
闇に沈んだこの国を照らす
星になった魂たち・・・
いかないで!
ぼくを置いていかないで
その願いはもろくも砕け
君は空の瞬きになった
今ここに君が居ない
今ぼくはここに居る
残酷なその運命を何度も呪った
もしあの日 あの時……その憤りは行き場を失うだけ
どんなに悔やんでも君はもう還っては来ないから
今あの日と変わらぬ日常が戻り
昼も夜も明るい街は人で溢れてる
人は何故悲しみを忘れていくのだろう
いつまでも過去を振り返ってばかりじゃ前に進めないとはわかっているけど
今ここに居る奇跡を噛み締めてぼくは空を仰いだ
あの碧空の彼方に君がいた過去を見て
風が吹いて
雲が流れ
その切れ間から射す光が地上のぼくを照らす
ぼくは時の流れを感じた
今ここに居る奇跡を他人と他人の心を繋いだ日々を忘れはしない
明日消えてしまうとしても君に恥ずかしくないように
ぼくはこれから一日一日を大切に刻んでいくよ




